「立場」4話
日が沈みかけていた。今日のシンデレラ探しは中止して、後日に繰り延べるべきでは?と言う雰囲気になっていた。
既に日常生活に、かなりの支障が出るまで事態が悪化していた。経済、行政にも支障は及んでいるだろう。
王子を補佐する者達が、王子に具申し。王子も受け入れざる得なくなってきた。
そんな中、シンデレラに順番が巡って来た。待ちに待った自分の番が、そうコレまでの事が報われる、神様は公平な方だ。
王子を見た。
王子は憔悴していた。朝から彼女を捜し求めて、場を精力的に指揮した。直ぐに見つけ出せると思っていたのだろうが、事態は彼の予想をはるかに超えていた。
仕方ない、こんな事は今まで無かったのだから、異例中の異例。だがこの経験は、王子を、国を更なる発展と平和に導くだろう。
それを私が支えるのだ。
シンデレラはそう思った。
王子と目が合う。王子の顔色が、ハッキリとソレと解る雰囲気に変化した。
シンデレラも再開の歓喜に震え、涙が出そうだった。
お互いはには解っていた。後は証明するだけだ。
目の前に「硝子の靴」がある。昨晩、慌てた為、城で脱げてしまったモノ。
一夜限りだったはず、一度限りだったはず。これも魔法?それとも運命なの?
シデレラの脳裏には、魔女が目の前に現れてから、今に至るまでの出来事そのものが魔法の様だった。
彼女はスカートの膝辺りをつまんで裾を持ち上げ、足を上げた。
王子もシンデレラも、微笑を交わした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます