第17話

 何が起きたのか、ぼくはすぐにわかった。そして、ぼくのバカさに死ぬほど(もう死んでるけど)後悔した。


(しまった、バリアが張ってあったのに‼)


 外部の攻撃から、身を護る魔法である『バリア』。そこに外から入ろうとすれば、当然攻撃だと認識された弾かれるのは当たり前だった。


「ごめん~‼ ぼくのせいだ~‼」

 

 精一杯叫んでから、みんなの救助に向かった。今のぼくは、飛べるんだ。


「ひい~‼」

「オネス‼ キャッチした!」


 くう、重い。やっぱりちゃんと力は発揮できないんだなあ、飛ぶって言うよりゆっくり降りてる感じだ。


「ひいいいい‼」

「あ、暴れないで」

「大丈夫か~い⁉」


 フジコさんの声だ。少し離れたところに、パエスに抱えられて飛んでいた。脇には、ミドとトモナミ、アイジャがいる。良かった、みんな無事だ。


「ミド! 大丈夫⁉ 痛くない⁉」

「平気よ! 心配してくれても嬉しくないんだから!」

「私も大丈夫」

「じゃかましい! お兄ちゃんはワシを心配しとるんじゃ! だーっとれ‼」


 うん、平気そうだ。さて、今はそれよりここに入らないと、『ひかりのや』の餌食になっちゃうぞ。


「どうする⁉ 攻撃してみる⁉」

「うほっほ!」


 トモナミが背中に背負った銃口をバリアに向ける。無駄だ、あれだけの魔法でビクともしてないのに。それに壊れてそこから『ひかりのや』でも入り込んだら元も子もないよ。


「あれ?」

「あ、空いてる! なあ! 入ろうよ早くう!」


 空いてる? ぼくたちの目の前だけ、ぽっかり『バリア』が空いてる……。幻覚じゃないよね? みんなも見えてるし。

 

「うっ」


 すぐ近くに『ひかりのや』が着弾した、考えてる暇はなさそうだ。ぼくらはその穴に向かって突っ込んだ。 


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