その8 トランスフォーマー コンボイの謎
今でこそたびたび話題にのぼり、あまつさえアニメでもネタにされた『トランスフォーマー コンボイの謎』(1986/12/3 タカラ)は、これまた団地の隣室に住む友人Yの所持ソフトのひとつで、ごくたまに借りていた。
私は当時アニメには疎いほうであり、トランスフォーマーをよく知らなかった。ロボットものは再放送のタイムボカンシリーズくらいしか知らなかった。ということでこのゲームを自分で買う動機はまるでないため、よくあることだが、貸し借りでの初プレイとなる。財力も情報力もない昭和末期の小学生にとって、元ネタを知らないままにキャラゲーに出会うのはまったく普通のことだろう。
このゲームは自機を変形させつつ戦うロボット横スクロールアクション(攻撃はシューティング)ゲームである。敵弾が小さく背景と同化して見づらいというのが初っ端の定番ネタ。あと、ボスが全然原作にないただのロゴであるとか、ステージが使い回しだとか、ツッコミどころとしてはそんなところである。90年代後半にはファミコン初期におけるクソゲーの代表のように扱われることもあった。
庇うわけではないが、私の当時の印象としては「まあ普通のゲームだなぁ……」というものであった。割とぬるっとスクロールし、ジャンプなどの動きは当時のアクションにしては比較的大きい。しかし難易度調整のためか動ける範囲はやや狭く、爽快感はさほど感じない。ロゴがそのまんま浮遊するボスキャラも、ファンからしたらひどいものだったかもしれないが、私は元ネタを知らないから「そんなものなのかなあ」で流していた。あとはどのゲームでもそうだが、覚えてクリアする。たぶんクリアはしてないと思うが(覚えてない)。
このゲームは当時としてはスクロールと動きが良いほうだったので、ステージ構成次第ではそこそこ良いゲームになりえたのではないかと今は思っている。惜しいゲームだ。
「ファミコンはタイアップものがいまいち」というのは、粗製濫造が進んだもう少し後のことかもしれない。コンボイの謎と同じくAVGNもネタにしていた『ゴーストバスターズ』もけっこうひどかったが、『グーニーズ』は名作だし『忍者ハットリくん』『オバケのQ太郎』なんかはそれなりに真面目に作られていたと思う。
名作であるにしろないにしろ、ファミコン時代のゲームにツッコミを入れようと思えばいくらでもできる。ゲームとしてイマイチ以下の出来であると、ファンが少なく好き勝手言いやすい対象として、後年にそのスキを与えてしまうことになるのだろう。
純粋な個人的クソゲーについては今後いつか触れていきたい(笑)。
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