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 長いため息をついた御子野瀬さんは、煙草を取り出し、しかしくわえずに戻した。そして例の書類を見やり、一人で何かをぶつくさと考えているようだった。

 四宮しきの項目をまとめると、ざっとこんなものだろうか。

 しっかり者。やや高圧的(完璧主義者?)。律儀な人。ロングヘア。医学に興味あり。なんでも調べるくせあり。尽くしてくれる。母とは良好で、母を「善き人」と断言。

 ざっと見ると優等生のような文字列。というよりは、いわゆる委員長タイプなのだろう。自分に課せたものは自力でこなさないと気がすまないような、そういう意味で、変な話がんばり屋さんと言ってもいい。

 そう言い換えると高圧的な部分も見栄のような気がして可愛らしく感じられる。

 思案しながら、鉛筆を弄んだ。次でようやく半分を迎えるわけだが、まさしく最初思ったとおり、十人十色と言ったところだ。

 ある程度の共通項があったほうが助かったな、と思う。そのほうが優劣が下しやすかった。まったくバラバラの個性だと、何を基準に、どこで判断するべきか、迷う。

 この話を受けた時からほのかには思っていことではあるが、どのような選別を行おうと、どこかに後悔のしこりが残りそうな、そんな気がする。

 果たして最後の一人に、それを包み込んでくれる許容量があるかどうかは、ひとつのキーとなることだろう。

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