第143話 ボスラッシュに戸惑う魔物
勇者の移民審査の行列に並んでしまったドッペルは・・・
「なんでなんだよ・・・」
・・・”アイツが領主だぁ? この国の人間共ついにトチ狂ったのか?
それとも俺はまだ独房の中で悪夢を見ているのか?” と考えながら頭を抱えている。そんなドッペルの気持ちとは裏腹に列はどんどん進んで行った
「次の人~」
”どうする!どうする!! この前とは姿が違うから大丈夫だとは思うが…” と混乱するドッペルは勇者と目が合いそうになり ”まずいッ!” と考え強硬手段に出た! その光景を周りの人間に見られてしまう、そう・・・・
「う~む…、どうにかヤツの代わりになりそうな娘は居ないものか・・・」
「あのような者がそうそう居るはずもないでしょう。井戸を見張り娘が飛び込むのを待つおつもりですかな?」
「はは、まさか。・・・しかしいざとなればヤツの行動を分析し、その様な娘を適当な者に演じさせてでも・・・・」
「ドボーーーン!」
「「何事!?」」
・・・・お忍びで勇者の動向を探っていた反勇者派の貴族達は、隠れる為に井戸に飛び込んだドッペルの姿を目撃した
「「本当に居た!?」」
”反って目立っちまった” と後悔しながら市民に井戸から引き上げられるドッペルであった
「大丈夫かいお嬢ちゃん!?」
「ええ、大丈夫です事よ。足を滑らしちまいまして、ハハハ!」
運悪くドッペルが化けたのは女性の姿だった。そして ”女ってどう演じて良いのか分からねぇな” と泊ま井戸いながら起ち上るドッペルに反勇者派の貴族に一人が話しかけた
「これ、そこの娘よ、少し話があるのだが」
ドッペルは貴族を出会った。貴族に話しかけられ ”やべ、追っ手に見つかったぁ!?” と思い動揺したドッペルは妙な声をあげて引いてしまった
「きっぴッ!?」
ドッペルの反応に貴族は動揺したが、負けずに話し掛けた
「いや…、そんな怯える必要はない。ただ少し、後継ぎ問題で困っていて助けを…」
ドッペルは強く拒絶した
「けっこうだ!! そんな事を言ってドコに連れ去る気だ!!・・・ですの!」
「いや!そんな気は全くッ!!」
無理に交渉を進め様とする貴族を別の貴族が止めに入った
「待て、ここで騒ぎを起こして勇者に顔を覚えられてはまずい」
「ぐぬぬ・・・、確かに、惜しいがここは引くとしよう」
民衆がドッペルに話し掛けた貴族をいぶかしむ様に見ている
「驚かせてすまなかったな、失礼するよ」
反勇者派の貴族達は去って行った。ドッペルは安堵した
「ふぅ・・・」
”よく分からんが引いてくれたみたいだな” とひと息ついている所に何者か達がドッペルに話し掛ける
「大丈夫かい?」
「何か事情が有るみたいだけど・・・」
「聞いてやるな、そっとしておやり」
話しかけてきた人々に、ドッペルは恐る恐る応対する
「いえ!なんのご心配もアリはしませんことよ! フハハハ・・・、はぁ!?」
ドッペルはご近所の方々に出会った。ドッペルは ”捕まる前にアジトにしていた家の近所の爺さん婆さん共じゃねえか!?” と驚き固まっている。婆さんの言葉をかける攻撃!
「どうかしたのかい、固まって?」
ドッペルにはその何気ない言葉が邪悪なものに聞こえた。精神に3ダメージを受けた。ドッペルの反撃!
「いえいえ! 先ほどの緊張が解けて少し油断してだけだ・・・ですよ、おばあさん」
歯切れの悪い言葉だった。爺さん婆さん達は心配している
「何処か具合が悪いんじゃないかい? これを使いな」
「こ、これは!?」
爺さんはドッペルに気付け薬を差し出した
「風邪だろうが疲労だろうが、これを飲めば一発さね」
ドッペルは全力で拒否した
「いえいえ! そんな高価な物をいただくわけにはだな!」
「若いもんが気にすんな、ほれ」
「う・・・」
ドッペルは ”これ以上拒否すれば怪しまれる” と思い観念した
「ほれ、一気に」
「んぐ!!」
ドッペルは気付け薬を飲んだ。10ダメージを受けた。ドッペルの口からは湯気が出ている
「ちょっと、これは効き過ぎじゃないかい?」
「あれま、おかしいのう?」
不審に思う爺さん婆さんにドッペルは痛みに耐えながら言った
「だ、だいじょうぶふぅ、ちゃんと効いてるから・・・、アリガド」
「そうかい、それならよかった」
ドッペルは ”こいつらワザとやってんじゃねえだろうな!?” と思いある策を実行した
「爺さん婆さんがた、俺の前に行ってくれ・・・」
「いいのかい?」
「面接をどうしのぐか少しでも考えたいからお先にどうぞ! さあさあ!」
「そうかい? じゃあお言葉に甘えようかね」
爺さん婆さんはドッペルの前の列に並んだ。ドッペルは ”これで背後を気にせずにすむ” と思ったが
「薬のお礼にお年寄りに順番を譲るとは、なかなか良い心がけですね」
「いや、別にそんなんじゃ・・・ぁ!?」
話し掛けられドッペルが後ろを振り向くとそこには・・・
「どうされましたか?」
ドッペルは神父と出会った
「何でここに!?」
「色々と思う事が有りまして・・・。どこかでお会いしましたか?」
「いえ!初対面です!!!」
ドッペルは ”ヤベエ連中に挟まれちまった” と後悔している
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