第119話 腐ってる場合じゃねぇ!
見事グリーンサーペントを倒したアッシュ達
「なんとかなったなトーマス」
「ああ、大型を相手にする時は相手の上下左右、前後に分かれて戦い混乱させる。教本どうりだ」
「流石に教本作ったヤツも、この人数で戦う事を想定してなかっただろ…痛てッ」
アッシュは腰に結んでいた傷薬の箱を開けようとして蓋を落としてしまった。トーマスがその様子を見て声をかける
「どうしたアッシュ、怪我してるのか?」
「拾った武器が胃酸まみれでな・・・クソ」
「俺が塗ってやる。ハイエナ!治療するから援護頼む…、ハイエナ?」
呼んでも返事が無いしぶといハイエナは何か持ってガサゴソしている
「お、あった! 紋章見っけ!」
「何してるんだハイエナ?」
しぶといハイエナは後ろからトーマスに話しかけられて拾ったものを落してしまった。それを見たトーマスが声を上げる
「それはさっきの大蛇の紋章か!」
「俺が拾ったんだ!俺が使う! 一番がんばったんだからな」
トーマスに威嚇するハイエナの言葉を聞いてアッシュは言った
「いいじゃね? 確かによくやってたし」
その言葉にトーマスは振り向いてアッシュに言った
「おいおい、そんなあっさり決めていいのかアッシュ? 魔物の力が詰まった紋章だぞ、お前に使えばもしかしたら・・・」
「ねえよ、オレの師匠がそうだったらしい。それにこの短期間で一番レベルが上がってるのはオレだ、今使ったら一番ヤバイ。オレの代わりは今はいない、それに俺もお前がイカレちゃ困る・・・が、そのハイエナなら変わりが効くだろ? だったら答えは一つさ」
「ひでえ事言うな」
トーマスはアッシュの言葉に苦い顔をしたがしぶといハイエナは・・・
「フヘヘ、いいねその物言いはよ。嫌いじゃねえぜ」
何か嬉しそうに不敵な笑みを浮かべている。トーマスは苦言をこぼした
「良いのかお前それで?」
「本当に気に入らなかったら実力でブチノメスさ、言葉でつくろっても無意味だ。そうだろ人間? じゃあ遠慮なく!」
しぶといハイエナは毒蛇の紋章を使った!
レベル10になった。スキル”熱源探知”を覚えた
レベル11になった。体力が大幅に上がった
レベル12になった。体格が少し大きくなった
「フヘヘ!これがボスの力ッ! 試せるヤツはいないかぁ!!」
しぶといハイエナは前衛のハイエナ軍団を突破して来た魔物を見つけ襲い始めた
「ウラアアアア!」
「・・・今の内だ、治療するぞ」
「ああ、頼む」
トーマスはしぶといハイエナが敵を引きつけている間にアッシュに傷薬を使った。アッシュは10回復した
「そういや。隊長の援護が無かったな?何してるんだ・・・」
アッシュが治療を受けながらそんな事を思い、真理が乗ってるボランの姿を目を動かし探した
「グウウウウ!」
「ガウウウウ!」
そして何やらライオン型の魔物と牙の強度を競う様に口を合わせてかみ合うながら取っ組み合いをしているボランの姿を確認した。そしてそのボランの上で
「ふふふ・・・。仲がよろしい事で」
こんな顔┌(┌^o^)┐をして、アッシュ達を見つめる真理の姿を発見した。アッシュは愚痴をこぼす
「なんか…、マリー隊長こっちずっと見てるぞ。援護しろよ」
「ん? そうだな・・・もしかして俺達でもギリギリ対処できると判断してたんじゃないか? 鍛える為に」
「なるほどな、でも危なくなったら直ぐに回復できるように見てるって訳か。あのニヤついた顔を見るにテストは合格みたいだな」
トーマスは強い口調でアッシュを戒めた
「おい!気を緩めるなアッシュ。回復魔法を使わないって事は、ちゃんと警戒しながら治療出来るか見てるに違いない!」
「そ、そうか! 気を付ける」
アッシュ達は周囲を警戒する。その様子を見た真理は謎の言葉を言った
「ふふふ・・・、あの女みるんじゃなくて俺を見ろ・・・。そして目を合わせられなくてキョロキョロする二人・・・ふふふーーー」
その真理の顔┌(┌^O^)┐を視界に端で見たアッシュはトーマスに言った
「どうやらトーマスの言う通りだったみたいだな。隊長の顔がさらにゆるんだぞ」
「そうか、おい、頬の傷にも塗るぞ」
「染みるッ、いつの間に・・・飛び降りた時に枝かなんかで切ったかな?」
真理はトーマスがアッシュの頬に触れたのを見た瞬間
「きゃ~~~♡ どこまでサービスすれば気がすむの~♡」
謎の言葉で奇声を上げる真理に対し、ボランはライオーンから間合いを取って吠えた
「おい!少しは手伝え!」
「あ、ごめんなさい」
真理は正気に戻った
「よそ見するんじゃねぇ!」
ライオーンはボランに突進した
「うぐ!」
体勢を崩すボラン
「よっこいしょ」
真理はライオーンの頭に乗っかった。それを見たボランは危険を察知し
「やばい!?」
「うお!」
ライオーンを押しのけた。真理の攻撃
「ラガニン!」
真理の電撃魔法、真理の身体中から放たれる電撃がライオーンを襲う、28ダメージあたえた
「バチバチバチン!」
「ギャバババ!?」
ボランは真理の電撃が止んだタイミングを見計らい爪でライオーンを抉った、23ダメージ、ライオーンを倒した
「があ・・・」
「よっと」
ライオーンが塵になりきる前に、真理はボランの頭に飛び移った。真理は前衛のハイエナ軍団に宣言する
「ちょ~とサボッちゃったわね。さあ、どんどんぶっ放すわよ! 当たるんじゃないわよ!」
「え、なに?」
戦いの興奮の中、真理の言葉を聞きそこなったしぶといハイエナ
「ライニン!」
そしてしぶといハイエナをピンポイントで襲う電撃魔法、20ダメージ受けた
「ブルル! 姉御!こっちは味方だ!」
しぶといハイエナの言葉に真理は首をかしげる
「アンタ居たっけ?」
「強くなったせいで身体が大きくなったんですよ!」
「あ、そうなのごめ~ん。そう言われればしぶとそうな声ね♡」
しぶとそうなハイエナが油断していると
「くらえ!」
カエル型の魔物に蹴り飛ばされた、15ダメージ
「うわわわわ・・・・」
そしてトーマスはアッシュの治療を終え
「これで終わりだ」
「ありがとな。今度はオレが治療するぜトーマス」
「いや、打撲じゃ自分で痛い場所を探った方が早い。援護してくれ」
「へいよ。嫌だが拾うか・・・」
アッシュは恐る恐るグリーンサーペントの落とした武器を拾い手に取った
「おお! 倒した事で酸が消えてるな。トーマス!落ちてる武器は問題なく使えそうだ・・・、う!?」
そしてアッシュは吹き飛ばされてきたしぶといハイエナに衝突され、森の深い場所に吹き飛ばされて行った
「アッシューーー~~!!!」
トーマスの悲痛な叫び声を上げた。その様子を見た真理は
「あらら、飛んでっちゃった」
トーマスは真理に怒鳴った
「飛んでっちゃったじゃないですよ! 早く救出を!」
「今は戦力を割けないわ。あの人かなり強いし、勝手に合流するでしょ」
トーマスは更に声を荒げて言った
「あいつ戦闘に使えるスキル一切持ってないんですよ!」
「えっ!そうなの!? そっか、生産職だもんね・・・」
魔物がひしめく森に1人吹き飛ばされたアッシュ、アレはどうなるのか!? そして・・・
「うう・・・」
しぶといハイエナは気絶した
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます