第96話 キラキラ☆あれくしす
裸で外出をしてしまったため、メイド隊に囲まれてしまったアレクシス
「ほっ!放してください!怪しい者ではありませんよ」
「逃がすものか変質者め!」
アレクシスはメイド隊に捕まり縛られている
「しかしこのままでは服が着れないではないですか!誰か!ボクの身分の証明を!」
真理は軽く言い放った
「いやー、見るからに変質者でしょ」
「この泥棒ネコめ!他に誰か・・・」
アッシュはアレクシスをちらっと見た後
「えっと・・・さ、さあ来い魔物共!俺が成敗してやる!どうした、どうしたぁ!」
関係者だと思われたくない為、見なかったことにした
「アッシュは気づいていないか。このままでは・・・へっくしゅん!おぉ~!鍋の中でくしゃみが反響して耳が!」
アレクシスは混乱している
「えぇい!うるさいわ!誰か適当な服を着させてコヤツを黙らせよ!」
「「はっ」」
メイド隊は王の命でアレクシスを着替えさせた
「ほっ!?いつの間に服が!しかしこれは・・・」
「ヒラヒラ~♪」
アレクシスはメイド服を装備した
「余は確かに適当な服と命じたが、なんだこれは!?」
王は動揺している。メイド達は王に頭を下げた
「申し訳ありませんジョージ王様。持ち合わせは私共の服しかなく」
「いや・・・しかしこれは流石に」
「ジョージ王様がお許しになられるのでしたら、ジョージ様の着替えの中から男性用の物を・・・」
王はきっぱりとメイドの提案を拒否した
「ならぬ!もうそのままでよい!」
「かしこまりました」
アレクシスは縛られながらも長いスカートをヒラヒラさせながら舞っている
「おお~、なんと動きやすい♪これでボクの身の潔白が証明されましたね♥」
「むしろ、怪しさが上がってるじゃ・・・」
アッシュは思わずアレクシスに突っ込んでしまった
「おお、やっとボクに気付きましたねアッシュ♪さあ、ボクの身分の証明を」
メイド隊はアッシュに注目している
「えッ、あ、えーと。コイツは勇者さんの部下・・・になるんでしょうかね?」
「はい、コックをしている者ですよ♪さあ、この拘束を解いてください」
それを聞いたシンシアが真理に質問した
「マリー様、今の話は確かでしょうか?」
「不審者だけど、ゆうとの仲間みたいよ」
「承知しました」
「パチン」
シンシアが指を鳴らし、メイド隊に合図するとアレクシスを縛るロープを解いた
「グオオオ!」
「うわああ!イチゴが止まらない、どうしよう」
勇者はイチゴンに振り回されながら鉢植えに乗っていた
「ユート様ぁ、今ボクが行きますよー」
「おいバカ行くんじゃない!危ないぞ!」
勇者を見たアレクシスは、アッシュの警告を聞かずに走って行って・・・正確にはスカートの裾が邪魔なので、スカートを膝で蹴り上げる様に高く足を上げる様にスキップしながら勇者の元にむかった
「夜道は暗いですねぇ~。そうだ!森で試した魔法を使いましょう♪」
アレクシスはボウニンを使った。魔力を抑え小規模な火を幾つも自分の周りの空間にパチパチと連続で展開させ明かりにした。その姿は正に・・・
「ん?なんか後ろが明るく・・・げっ!」
勇者も困惑させたその姿は正に、少女漫画でお花畑をキラキラさせて走る少女の様だった
「ユート様♥ボクもお手伝いいたしますよ♪」
「ウグゥ?グオウ!?」
「あははは♪あはん、はは♪」
「ドタドタドタドタドタタタタッタタタァ!!」
子連れイチゴンはアレクシスを見てスピードを上げて逃げ出した
「うわわわ!イチゴさん!?急にどうしたんですぅー!?」
勇者は振り落とされそうだ。それを見た王は叫んだ
「何をやってるかキサマァ!!!」
続いてシンシアも驚きの声を上げた
「アレはまさか魔法の無声詠唱!?しかも魔力を調整してアレンジして使うとは!あの鍋男、なぜそのような高度な技をッ!」
「そんな事はどうでもいい!それより勇者だ、誰か助けんかぁッ!!勇者殿ぉ!」
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