第84話 人が寝ようとしてるのに・・・はぁ
圧縮された土ブロックを重ねて、簡易的な炉を作っていたアッシュ
「んーっと、今日はここまでにするか、まだまだ仕事は残ってるが。はぁ…」
作業を終わらせ、錆びついたガラクタを見ながらため息をつく
「鉄床があったのはラッキーなんだが・・・どの道具が錆びてるからなぁ。明日はコイツを磨いて、作り直して・・・道具をそろえなきゃな」
アッシュは鍛冶場にする予定の部屋を出て所を警備のハイエナに声をかけられた
「おい、人間。今日はもう寝るのか?」
「ああ、そうさせてもらうよ。どこかに休める場所は無いか?」
「コッチだ、お仲間はもうそこで寝てるよ」
アッシュはそのハイエナに寝床まで案内してもらった。他のハイエナ達も寝ていてる中、見知った顔がボロ布を適当にかけられ寝ているのを発見した
「うっうぅ・・・何が・・・ナニが小さかったんだ隊長・・・」
「うぐ・・・泥棒ネコめ・・・むにゃむにゃ」
トーマスとアレクシスは気絶したまま、運び出され寝床に寝かされていた。事情を知らないアッシュは
「トーマスもアレックシスもよっぽど疲れてたんだな、まるでボロボロの負傷兵の様に眠ってるぜ・・・でも何で裸なんだ?」
と、疑問に思ったが、自分も疲れていたので寝ようと場所を探す。その様子を見てハイエナがアッシュに話しかけた
「そこにゴザが置いてあるから、勝手に使って適当な場所で寝な、オレは夜警に行くからよ」
「お疲れさん、じゃあお先に休むぜ」
アッシュは寝床に着いて・・・眠ろうとしたのだが、遠くから何やら騒ぐ声が聞こえ身体を起こした
「わー・・・ぁぁ…、がわぁ・・・」
「クソ、人が眠ろうとしてんのに・・・」
アッシュはトーマスの寝床の側に置いてある装備の中からロングソードを取った
「悪いトーマス、また借りるぜ。ゆっくり休んどきな」
「むにゃ…」
そう眠っているトーマスに言って、ロングソードを装備したアッシュは外へ向かった。外に出る前に剣は鞘から抜いておく
「どけ!どけ!邪魔だぁ!!」
外に出るといきなり羊型のモンスターが叫びながら突っ込んで来た
”何も考えず突っ込んでくる、力で勝負するのは愚行、一度受け流しから攻撃するか、その為に横に逃げたところを腕で払われない様に、腕の動きを封じる”
荒くれヒツジの頭突き攻撃!
「シュッ!」
アッシュは突進しながら角で頭突きしてくる荒くれ羊の攻撃を、右斜め前に踏み込みながら、荒くれヒツジの左腕を狙って斬り付けながら横に避けた
「痛で!」
「ガシュ!」
アッシュのカウンター、荒くれヒツジに6ダメージ
”成功、後ろを取ったが真後ろには回らない、草食動物型の魔物は馬の様に後ろ蹴りをしてくる可能性が高い、突進の勢いは止まっていない、完全に敵から離れない内に背中から心臓に突き入れる”
「うっ\ぐ!」
「トスッ」
アッシュの攻撃、会心の一撃だ!荒くれヒツジに18ダメージをあたえた
「うぐわぁ!」
「あ、そっちは・・・」
突進してきた荒くれヒツジはつまずいて、地下に続いている階段を落ちて行った
「ガコン!ガラガラガラ!」
荒くれヒツジに追加で10ダメージ、アッシュは荒くれヒツジを倒した
「シュゥ・・・」
「倒せたんなら別にいいか、よっと」
アッシュは魔物が一番下に落ちた衝撃で塵になったのを見届けると、入口の扉を閉めた
「バタン」
「退きやがれ雑魚共!邪魔だ~!」
辺りを改めて見入ると様々な魔物が、街の方向から突っ込んできていた
「まだ、魔物が居るな・・・お、勇者さん!」
ハイエナ達に守られながらたたずんでいる勇者を発見した
「おお!夜になると魔物が活発になるとは思っていましたけど、なんて数なんだ・・・しかも沸き潰しが通じない!」
「やっぱ光を見て獲物が居ると考えて襲って来たんですよ!それに夜に活発なのは魔物によります!」
「あれ?夜に強力な魔物が出るとかないんですか?」
「そんなの場所によりますよ!少なくともこの辺りじゃ聞いたことありません!」
勇者は何かハイエナと言い争っていて、アッシュの声は届いていないようだ
「ライニール!」
「バチバチバチ!」
突然夜空を閃光が走り、魔物達を薙ぎ払った。真理の電撃魔法だ
「ふ~、経験値稼ぎ放題ね。いやぁ~、道具屋のオジサンが危険だと言ってたのがよく分かるわぁ」
「マリー隊長!」
アッシュは屋根の上に居た真理に声をかけた
「あら、居たのアッシュ。トーマスは?」
「良く寝てたんで、おいて来ちまいました」
「そ、アンタも休んでても良いのよ?」
「地下への入口くらいは守ってみせますよ!」
「元気がいいわね。でも巻き込んだらゴメンね♡」
「え、それって・・・」
「大事なのは瞬発力・・・ライニール!」
「バチバチバチン!」
真理の電撃魔法が再び魔物達を襲った!味方も巻き込んで
「ひぎゃあ!ちょっと姉御!」
「ゴメーン、練習中だから勘弁してね♡」
「そんな!?」
真理とハイエナが言い合ってるのを見た勇者
「これは・・・ボランさん僕をあの屋根まで投げてください!」
「おうよ!それ!」
勇者はボランに真理の居る屋敷の屋根まで投げてもらい
「それ!」
空中から全体を見た勇者は幻覚を使い、味方のハイエナ達の頭上に緑の矢印を付け、屋敷の屋根に着地し真理に話しかけた
「これでどうですか真理さん」
「上出来よ!ライニッ!」
「バチィィィ!」
「ぎゃあ!」
しぶとそうなハイエナに電撃が直撃した。18ダメージをうけた、しぶとそうなハイエナは気絶した
「真理さん!?」
「あたしの魔法じゃないわよ」
「え?」
確かによく聞くと、真理とは別人の声が呪文をの唱えている声が聞こえる・・・と言ううより、何やら号令の様な物まで聞こえている
「なんだ!?」
「魔物共をけちらせぇい!勇者殿は何処かぁ~!?勇者殿ぉ!!」
ものすごく聞いたことある声も響いていた
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