第81話 勇者、アレクシスとお散歩

 会議が終わった後、皆それぞれ作業に取り掛かり始めていた


「よーし、ここら辺にするから建設よろしくぅ」


「了解ですマリーの姉さん、今すぐ作業に取り掛かります」


「マリー隊長、薬草を植える花壇は作り終えましたよー」


「そう、早いわねじゃあさっそく植えましょうか」


「俺は作物を集めに行ってきていいですか、井戸の状態も確認したいので」


「そう、じゃあ行ってらっしゃいトーマス。アッシュはどこぉー?」


「アッシュは今、地下にってるはずですよ。では行ってきます隊長」


 勇者はその様子を見ながら、腕を組んで考え込んでいた


「下手に手を出すと邪魔になりそうだな。さて、僕はどうしようかな・・・どこかに良いチュートリアルは・・・」


「ユート様ぁ♥」

 

 アレクシスが籠を背負って現れた


「アレクシスさんどうしたんですか?」


「山菜を捕りに行こうと思いまして♪外出許可をいただきたいのですが」


「山菜ですか…あ、僕もついて行ってもいいですか?薬草や食料など使えるアイテムの見分け方を教えてもらえると助かるんですが」


「おお!お安い御用ですよ♪一緒に行きましょう!そして、十分な食料を手に入れた暁にはキッチンをッ!」


 アレクシスは勇者に詰め寄った!


「わ、分かりましたから、離れてください!」


 勇者達は山菜取りに行った・・・そして残されたハイエナ達は


「おい、ユート親分どこ行った?」


「さあ?そっちには居ないのか?」


「親分なら鍋野郎を一緒に出かけに行くのを行くのを見たよ」


「へー…・・・え!親分を放っておいたのか!?」


「鍋男が護衛についてるし、黙って行くなら相応の理由があると思って声かけなかったんだが、マズかったか?」


「また丸太の雨降らされたらどうすんだよ!!」


「え?あれ親分だったの?」


 ハイエナがもめている間も勇者達の探索はすでに始まっていた


「ふんふんふん~♪意外とある物ですね」


「アレクシスさん、これは食べられますか?」


「はい、食べられますよ。疲労回復に効果があると言われてます。味見してみては?」


「なるほど、では一つ」


「パクッ」


 勇者は赤い実を食べ自然治癒力が上がった、MPの回復量も上がった


「ん~ッ酸っぱい!これは食べれると・・・こっちのキノコは?」


「毒がありますが食べられます」


「毒があるのに?」


「茹でると水に毒が溶け出すので、毒抜きが出来るんですよ」


「毒抜き…便利なスキルですね。後で教えてもらえませんか」


「ええ、もちろんですよユート様♪」


「これは危ないから、こっちの袋に入れておきますね。アレクシスさん、これは食べられますか?」


「それは食べられてしまいますよ?」


「ああやっぱり、良い歯並びしてますもんね」


「パクッ」


 勇者は大きく口を開けた巨大イチゴに食べたられてしまった、勇者の足だけが口の外にはみ出している


「ユート様!?」


「大丈夫ですよダメージはありませんから。いやぁ、イチゴの口の中って甘酸っぱい匂いがしますね」


「モグモグ・・・」


 勇者は少しずつ飲み込まれていった


「ユート様!今お助けします!!」


 アレクシスは暴食イチゴンと戦闘になった。一方その頃ハイエナ達は


「親分を野放しにしておけねぇ…さっさと後追うぞ!」


「御意!ボランも連れて行きますか?」


「ヤツは今・・・処刑中だ」


「アァーーーーッ!」


「ガルルル!ワン!ワン!」


 ボランはポチィーに追われていた


「助けてくれー!!」


「そうか、ボランは置いていくか。じゃあこのメンツでいくぞ野郎共!」


「「オオーォ!」」


 ハイエナ達が勇者を捜索しようと森に入る頃にはアレクシスの戦闘は終わっていた


「ザシュン!」


 アレクシスの肉切り包丁での攻撃!イチゴンに10ダメージ与えの首を切り落とした!アレクシスは戦いに勝利した。勇者がイチゴンの口の中から這い出てきた


「ふう、助かった。大丈夫ですかアレクシスさん?」


「ええ…動きが鈍かったのでどうにかボクでも倒せました」


「あのキノコが効いたみたいですね。試してみたかいがありました」


 勇者は空の袋をパタパタとさせた


「おお!先ほどの毒キノコ!さすがですユート様♪」


「塵になりませんけど食べれるんでしょうかね?このイチゴ」


「硬くて、食べられないと聞いてますが・・・試してみます?」


「はい。ガブリッ!」


 勇者はイチゴンの実にかじりついた


「クチャクチャ・・・硬いですけど美味しいですよ」


 アレクシスも包丁で果肉を小さく削いで口に含んだが、すぐに吐き出してしまった


「どれどれ・・・。うっ!味は悪くありませんがボクにはちょっと・・・木の根を噛んでいるようです」


「そうですか?食べれるものにもレベルって関係あるのかもしれませんね。モグモグ・・・」


 勇者は食事を続けた。アレクシスはその食事風景を見ながら考え込んでいる


「なんと強靭な顎・・・まるでミノタウロスの様だ。薄く切って乾燥させ、ドライフルーツにしてみましょうか」


「じゃあ、これも持ち帰りましょうか。あれ?」


 アレクシスとそう話していると、周りの植物が動くような気配がした


「ウネウネ・・・」


「まだいっぱい、ありますねユート様♪」


 勇者達は暴食イチゴンに囲まれた


「せっかくですからアレクシスさんのレベル上げもしましょうか」


「それでユート様のお役に立てるのなら」


「決まりですね。僕も魔法などでサポートします」


 アレクシスとイチゴン達の戦闘が始まった


「ところでユート様?」


「はい、なんでしょう?」


「毒を食べたイチゴを食べるとその人はどうなってしまうんでしょう?」


「やっぱりその人にも毒が回るんじゃ?・・・あ、ぐふッ!」


 勇者は毒にかかった。勇者は直ぐに解毒魔法ポイリンで回復した


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