第80話 こっちも会議ですか勇者よ
真理と無事合流した勇者だったが、このままだと収拾がつかなくなると判断し皆を屋敷に集めて会議を開いた
「皆さん、集まりましたね」
「ええ…ていうか何でアンタだけ椅子に座ってるのよ!痛たた・・・」
「みゅう・・・」
真理と猫はまだ戦闘の傷が残っていて痛がっている。ボランはそんな真理を見て言った
「ボスを床に座らせるわけにはいかないだろうが。で?その大事な椅子で遊んでたって言うこいつの処分はどうする?」
「タスケテー、ゴメンヨ、オヤブン」
魔王ごっこをしていたハイエナは縛り上げられ吊るされていた
「遊んでいただけですし、放してあげてください」
「甘いなオメェはよ。ほれ」
「ブチ」
ボランは縄を爪で切り裂きハイエナを解放した
「アリガト、オヤブン」
解放されたハイエナも席に着いた。席順は勇者の席の前に両側に真理とボランが座り、それぞれ真理が座っている方に人間側の勢力が、ボランの側にハイエナ勢力が座っている形になっている。
「では、新たな仲間が増えたましたので、今後の方針を決めたいと思います。何か意見のある人は?」
「はいはーい、いっぱいありまーす」
「何でしょうか真理さん」
「あたしが工房を作るのは知ってるでしょ、工房以外にも薬を作る為の薬草畑を作りたいのよ、場所確保してもらえないかしら。いい出来だったら道具屋のオジサンが買い取ってくれるそうよ」
「それは、いいですね。町作るシュミレーションゲームでは必須ですよね畑は」
トーマスも手を上げて発言した
「勇者さん、マリー隊長、畑やるんだったら俺にもやらせてもらえないか?」
「え?畑仕事できるのあんた?」
「もともと農民ですよ俺は。ここに来る途中、野生化した作物が少し残ってたんで、もったいないと思ってたんですよ、それらを集めてやったらそれなりの規模の畑になると思うんです。飯は必要でしょう?」
警備担当のハイエナが発言をする
「ちょうど飯の問題があったからな、オレ達は野菜くえねぇし場所決めは任せるぜ、決まったらこっちに知らせな、警備の配置を変えなきゃならん。当然だが、あんま離れたところに作るのは無しだ、守れなくなる」
「了解、この件は任せてくれ」
勇者は探検の書にメモした
「畑よしっと…。他には?」
「ユート様!!!」
アレクシスが現れた
「あわわ!急に目の前に現れないでくださいよ!」
「座りやがれ鍋野郎!」
ボランの怒号をもろともせずアレクシスは話を続けた
「この屋敷はキッチンがありません!作りましょう今すぐ!!!」
アッシュがアレクシスに発言した
「あー、アレクシス…食糧の供給ラインが確保できてない状態でキッチン作るってのは・・・」
「なるほど、確かにアッシュさんの言う通りですね。キッチンは後回しと言う事で」
「そんな!ユート様!?うう・・・」
アレクシスは泣き崩れた
「サア、オマエモ、スワル」
アレクシスはハイエナに引っ張られて、なぜか魔物側の席に座わらされた。アッシュは気まずそうにまた発言する
「アレクシスの後に言うのもなんだが…オレも我がまま言っていいか?」
「何でしょう?」
「できれば鍛冶場が欲しいんですよ。オレ武器持ってなくて、場所さえ提供してもらえれば、ガラクタで適当な鍛冶場が作れると思うんですが」
「貴方は鍛冶屋だったんですか?」
「いいえ、武器屋でした。ダメですかね?」
「いいんじゃないでしょうか?ハイエナ達からも意見ありますか」
カタコトのハイエナが答えた
「タブン、ダイジョウブ。ガラクタ欲シイナラ、地下ニアツメタ、後デコイ」
「よっしゃ、有難うございます!」
アレクシスはうなだれている
「キッチン・・・」
「オマエハ、アキラメロ」
「ぐすんっ」
猫が勇者に発言した
「じゃあ、私は帰るかにょ、ユーシャも平気そうだしにゃ。王国の連中には何と伝える?早ければ明日にでも軍が来るが時間稼ぎでもするかにゃ?」
「ああ、大丈夫です。今日中に何とかするので」
「そうか?じゃあ貴族連中にはしばらく揉めてもらおうかにょ。身体はここに置いていく、じゃあにゃ」
「はい、さようならアマンダさん」
猫は動かなくなり置物の様に固まった。それを見た真理が勇者に聞いた
「え、アマンダ帰っちゃったの、何て言ってた?」
「はい、明日軍が来るから時間稼ぎするか聞かれましたが断りました」
「えー…まあ、早く来てもらった方が都合が良いか」
「どういうことです?」
「めんどくさい話よ、アンタなら平気でしょうけど貴族連中がゴマ擦ってきたら気を付けなさいよね」
「はい。取りあえず今日はここまでにしましょうか?他に意見のある人」
「・・・・」
「…居ないですね。じゃあ、今相談したとおりに作業をしましょうか」
「はーい」「「御意」」「「了解しました」」
「それでは解散」
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