第77話 親分!空から○○が!

 屋敷に迎いながら、雑談している勇者とアレクシス


「ごちゃごちゃしてるんですね、王国も」


「ええ、おかげで王国軍も領主達に振り回されてたようですよ」


「共通の敵が居るとしても、そう簡単に団結はしませんか。お、これが僕の屋敷かぁ」


 勇者達は屋敷にたどり着いた。屋敷の外観はブロックを積み上げて作った、一階建ての民家はどの大きさで、それなりの出来栄えだった


「てっきり豆腐ハウスかと思ってましたが、いい出来ですね。壁に立てかけられた髑髏が禍々しいですが・・・これは亀のかな?」


 アレクシスが不思議そうな顔?で勇者に尋ねた


「ユート様の故郷では大豆の生成食品で家の作るのですか?」


「あ、そう訳されたんだ。いいえ、豆腐ハウスは資材ブロックを詰み上がただけの四角い見た目が豆腐に似てるからで、本当に豆腐で出来てるわけじゃないですよ」


「それは残念。新しい可能性が開けるかと思ったのですが」


「ははは、お菓子の家を作ったりしないですよね?」


「おとぎ話の魔女の家ですか?あの泥棒ネコには丁度いいでしょうね、雨が降ったら崩れ出して砂糖漬けになるでしょうし・・・」


「あの、真理さんと何かあったんですか?」


「ユート様をさらいに来た時に少々・・・よくもボクのユート様を…ユート様をユート様をユート様ユート様ユート様ユート様…」


「あ、あのアレクシスさん!?」


 正気に戻ったアレクシスは一回くるっと回転した後、片膝をついて両手を広げ勇者の前に跪いた


「はっ!申し訳ありませんユート様!ボクがしっかりとお守りできれば!」


「そこもだけど、そうじゃない!」


「親分お帰りなせえ!どうぞ中も見てってくださいよ・・・隣のヤツは一体!?」


「アレクシスです、以後お見知りおきを」


 屋敷の中から出てきた勇者を中に招いたハイエナに、オーバーアクションで自己紹介した


「・・・取りあえず中に入りましょうか、今後どう行動するか決めなきゃいけませんし」


「はい!ではお邪魔いたしますよ!」


「あ、入れちゃうんですか親分・・・」


 勇者は ”これは無い…ヤンデレキャラは重要があると言ってもコレは無い・・・しかも男性キャラ・・・せめて女性キャラなら…はぁ、まあ異世界とは言え、リアルにハーレム展開はないよな。・・・・と言うか、今は無いと信じたい。真理さんが帰ってくる前に何とかしないと” と思いながら中に入ろうとしたが


「ドガァァン!」


 何かがぶつかり合う音がして、勇者達は音がした方向に振り返った


「なんでしょう?また魔物の襲撃でしょうかユート様」


「行ってみましょう」


 ――――勇者が屋敷に着く少し前


「ニャアアアアアアァァァァ!!」


 真理に飛ばされたアマンダの使い魔の猫は農村跡地に向かっていた。飛んでくる猫に外で作業しているハイエナ達が気づいた


「ボラン、なんか飛んでくるぜ」


「ん?なんじゃありゃ」


 猫の叫びがハイエナ達に近づいてくる


「・・・ミァァァァアアアア!」


「猫か?」


「猫ですね」


「なんで飛んできたのか知らないが・・・おやつには丁度いいか」


 ボランは落ちてくる猫を待ち構える様に口を大きく開けた


「あーん」


「にゃ!?」


「パクッ」


 猫はボランの口の中に入ってしまったが


「むぐ!?」


「にゃにゃにゃにゃ・・・」


 猫はボランの口を必死にこじ開けようと踏ん張っている


「ぺっ!」


「にゃあ!?」


 ボランは猫を吐き捨てた


「何だこのネコ、泥臭え!」


「みゅぅ・・・」


 ハイエナ達は吐き捨てられよだれまみれの猫を取り囲んで睨んでいる


「なあ、この猫」


「ああ、ボランの口をこじ開けるとか、ただもんじゃねえ」


「テメェ、ただの猫じゃないな」


「にゅ・・・・にゃあ!」


 猫はハイエナ達の包囲を突破し逃げ出した


「あ!こら待ちやがれ!!」

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