第69話 魔物ゲットだぜ!
亀軍団が攻めて来たが下っ端の部下は逃亡し、一人取り残されてしまったババル
「チクショウめ・・・ハイエナとイカレ人間共め」
勇者はババルに降伏する様、説得を試みた
「観念してくださいババルさん。もう、口から火を吐こうが、四肢をしまってジェット噴射しながら回転して飛ぼうが逃げられませんよ!」
「んな事できるか!!俺を何だと思ってる!?」
「あ、すみません。すっかり怪獣として見てました」
ハイエナの一人が勇者に話しかける
「親分、こんな奴さっさと殺っちゃいましょうよ。絶対裏切りますよコイツ」
「魔物を仲間にできると分かったら…やっぱり一応コレクションしたいじゃないですか、図鑑を埋めたいですし」
「コレクションだと!?」
ババルは勇者の言葉に驚いたが、勇者とハイエナは何でもない様に話を続けた
「コレクション…図鑑?もしかして親分、俺達の事も観察して図鑑を書いてらしたんですか?」
「いいえ、まだ書いてません。後で適当な本でも探さないと・・・」
「意外とマメなんですねユート親分、部下や敵の情報をしっかり把握しようとする姿勢は流石です」
ババルは我慢できずに叫び出した
「まてまて!コレクションって具体的にどうする気だ!?まさか剥製にでもする気じゃあるまいな!?」
「うーん、仲間として使えない以上、地下に飼い殺し状態になってしまうんじゃないでしょうか?まあ、よくある事ですよ」
「飼い殺し?奴隷するわけでも無く?魔物の動物園でも開く気か!?」
「あ、他の魔物と合成したり出来ると嬉しいですね」
「合成!?キメラの実験材料に・・・いや、どう見ても魔術師やその類には見えな…」
「マリーの姉御に頼むんですか親分?あの魔女に」
「真理さんなら確かに出来そうですね。帰ってきたら頼んでみましょう」
「仲間に魔女が居るのか!?くっ!絶対に捕まってたまるかぁ!!」
ババルは逃げ出した
「逃がすか!」
ボランの羽交い絞め攻撃、ババルは逃げられなかった
「くっ殺せぇ!」
「そんな捕まった女騎士の様な事を言われても・・・」
「こうなったら・・・っ!」
「コラ、暴れるんじゃねぇ!」
ババルはボランの拘束を振りほどき逃走を試みた
「往生際の悪い奴が!」
「ガシィ!」
ボランはババルの甲羅を掴んだが
「スポンッ!」
ババルは甲羅を脱ぎ捨て走って言ってしまった
「な!?なにいぃ!??!」
ボランは困惑している。ババルは高笑いしながら走り去っていった
「ガハハハハ!これが奥の手よ!仲間を騙し続けて300年!誰もオレがスッポンだとは気づかなかっただろう?フハハハアァ!」
勇者達は動揺している
「くっ!スープが美味かったのはこんな秘密があったからかッ!・・・本物飲んだことないけど」
「間違いなくアレは美味しいのですね勇者サマ♪」
鍋男は不敵な笑みを浮かべている・・・
「ボランさん!その甲羅を投げてください!」
「ん!?あ、そうか。くらえぇ!!」
「ブン」
ボランはババルの甲羅を投げつけた!
「シュルルルルッ!」
「ブヘァ!」
ババルに命中、29ダメージあたえた。ババルは痛みで動けない
「ちくしょう・・・自分の甲羅が使われるのを計算に入れ忘れていた・・・」
「フフフフ・・・、やっと美味しくなる時間がやってきましたね♥」
「へっ!?」
ババルは甲羅の中から聞き覚えのある声がして動揺した
「ふぅ、とっさに甲羅の中に潜りこんで正解でした♪」
「キサマは鍋の!?」
甲羅の中から鍋男が現れた
「見たところ動けないご様子、ふーむ…しかしどうしましょう…スッポンの肉は傷みやすくこの場で〆るわけにはいかず・・・・勇者サマには最高の状態で召し上がっていただかなくては・・・」
「てめぇさっさと退きやがれ!」
ババルは首を伸ばし噛みつき攻撃をした
「ふん」
「ガキン!」
鍋男は口の間に串を差し込んで噛みつき攻撃を止めた
「
「フランベ♪」
鍋男はババルの口の中に酒を注ぎこみ、火打石で灯した火種を入れ火をつけた
「ボオオオゥ」
「もがあぁぁ!」
ババルに14ダメージ
「おー、勇者サマの口から火を吐くと言う言葉にヒントを得て実行してみましたが、なかなの効果♥・・・・しかし四肢からジェット噴射とは一体?回転?」
「ぺっ!ゲホゲホ…」
ババルの口に引っかかっていた串が外れた
「おや」
「畜生、捕まってたまるか…オレはなんとしても逃げきってやる!」
「そいつは無理だな」
「うご!?」
ババルは後から駆けつけたボランに首を摑まれ捕まった
「そこの大型犬よ!肉が傷みますから慎重に調理場まで運んでください」
「犬じゃねえよ!俺は!」
「ボランさーん、捕まえましたかー?」
勇者達も駆けつけた
「おう、この通りだぜ」
ボランはババルの首を持ったまま背負った、攻撃させない様に背中と背中を合わせた状態で
「じゃあ、皆さん帰りましょうか」
「御意!ほら野郎共、撤収だ」
「さーて、砦作る作業に戻るかぁー」
「離せェーー!!」
鍋男が勇者に駆け寄ってた
「勇者サマ!ボクも連れて行ってください!きっとお役に立ちますよ♪」
「はい、いいですけど・・・アナタは何者なんです?」
「これはこれは、申し遅れました」
鍋男は鍋を脱ぎ、勇者に自己紹介した
「ボクは北門警備部隊、調理班コック長、アレクシス・ニコルソンです。今は脱走兵の身ではありますがよろしくお願いいたします勇者サマ♪」
「あ、北門兵士さんの関係者でしたか。僕はゆうとって言います」
「おお!ユート様とお呼びしても?」
「はい、いいですよ」
「お~♪改めてよろしくお願いいたします、ユート様♥」
「はい、よろしくお願いします。一つお願いがあるんですが・・・」
「なんでしょう?ユート様」
「真理と言う名前の猫耳の魔女が後から来ると思うのですが、彼女の前では顔を隠してもらえますか、掛け算されたくないので・・・」
「はい?ええ、了解いたしました」
アレクシスの顔は金髪で緑の瞳の美青年だった
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