第49話 お腹を壊さない様に
グリフォンとの戦闘に勝利し、緊張が解けた勇者は膝をついた
「はぁ…はぁ・・・、何とかなったな・・・ん?」
勇者は23回復した、真理に回復呪文をかけられた様だ。真理が勇者の後ろまで近づいて来る、振り返るとハイエナ達も来ていた様だ・・・掛け金を分配しながら
「だいじょ~ぶ?ゆうと。良くやったじゃない、なかなか楽しめたわ」
「ほれほれ、人間に賭けたヤツ、こっち来な」
「あ~あ、大損かよ」
「ヘヘ、モウケタ」
真理もお金をもらっている
「真理さんも賭けてたんですか」
「ええ、悪いけどアンタが残した小銭を使わせてもらったわ」
「小銭って…僕が置いていった銀貨をですか!?」
勇者は3000シルバーを失った
「いいじゃない、死んだらお金なんて使えないんだから。あたしの身を守るためでもあるし」
「身を守るためって?」
「はい、ゴールドに両替しておいたわよ」
真理は勇者に30ゴールド渡しながら、顔をよせ小声で話しかけて来た
「ゆうとに賭けてるヤツは殆ど居なかったし、もしアンタが負けて小銭が犬モドキ達に行きわたったら感電させやすいでしょ、ふふふ・・」
「いざとなったらそうやって逃げる気だったんですね」
「武器貸してあげたんだからこれくらいの保険をかけさせてよ。ほら、貸した物返して」
「はい」
勇者は棒とリュックを真理に返した。ハイエナのボスがノソノソ歩いて来て勇者達に話しかけて来た
「戦いは終わったな・・・さ、契約を果たしてくれ」
「貴方の紋章がグリフォン討伐のクエスト報酬でしたね」
「そうだったわね、ハイ、ちょーだい」
ボスは真理に手を出されて戸惑っている
「ちょーだいって、自分で取り出せねぇよ。シュバッっと殺ってくれ」
「倒さないとダメ?」
「という事は、またボス戦ですか。流石に僕でも連戦はキツイのですが」
戸惑う勇者の前へ出て真理が歩み出た
「待ってゆうと、アンタが戦う必要は無いわ・・・」
「その女が俺の介錯してくれるのかい・・・いっちょ一発デカイのを頼むぜ!」
ボスは覚悟を決めたが、真理は明るい顔でそっぽを向いた
「居るじゃない、あたしとアンタ以外に体力が有り余っている仲間が」
「ワン!ガルルルルル・・・」
ポチィーはボスに牙をむいて睨んでいる。ボスは困惑した
「え?まさか・・・」
「行きなさい!ポチィー!」
「ワン!ガブガブ」
ポチーの攻撃!ボスに8ダメージあたえた
「痛てぇてえ!キサマ!俺を犬でなぶり殺しにする気か!」
「ポチィーは仲間をハイエナ達にやられてるらしいし、うってつけじゃない」
「なるほど、因果応報ってヤツですね」
ボスは噛まれながらも勇者に抗議した
「おい!復讐しに来たヤツを返り討ちにしたばかりの奴が言うセリフか!?」
「ポチィーが一番レベルが低いでしょうからね。強くさせてバランスを取らないと後々苦労するでしょうし」
「だからってなぶり殺しはねぇえだろう!!」
勇者は涼しい顔で言った
「モンスターを弱らせて他のメンバーに止めを刺させたり、地形にハメた敵を一方的に攻撃させたりさせてレベルを上げさせるのは弱い仲間を鍛える基本でしょう」
「この悪魔がぁぁぁあああ!」
「ガウガウ!」
勇者達はボスの事はポチィーに任せて、グリフォンを倒した後に出来た灰の山の方へ振り返り探索を始めた
「さーて、あたし達はこの灰の山から使えるものが残ってないか探しますか」
「そうですね、じゃあ手分けして探してみますか・・・お?」
勇者はグリフォン死骸から”翼の紋章”を見つけた。勇者はそれを手に取った
「お、何かレアアイテム的な物を拾ったぞ!」
勇者が拾った紋章を勇者らしく宝箱から取り出した時の様に上に掲げると、その紋章を見たハイエナ達が騒ぎ出した
「お、それは数少ない選ばれた魔物にしか宿らないと言われる紋章!」
「魔の力が宿った邪悪な魔具、まさかグリフォンに宿っていたとは」
勇者はハイエナ達に質問した
「えっと、つまりボスさんの心臓にあると言う紋章と同じものですか?」
「ええ、宿ってる力は恐らく別物でしょうが」
「それが無いとボスにはなれませんからね。これでアンタ・・・いえ貴方様は俺達の真のボスだ」
「そうなんですか?あれ?じゃあボスさんが死ぬ必要は無いんじゃ・・・」
「ガウ、ガウ、ガウ!」
ボスはポチィーの攻撃から逃げ回っている
「うわあ!ちょっと待て、流石にこんな最後はむごすぎる!!」
ポチィーから逃げ惑うボスは勇者とぶつかってしまった
「バリン」
ぶつかった衝撃で翼の紋章を持っていた手に力が入り紋章は握りつぶされは粉々に砕けて消えてしまった
「あわわ、どうしよう!?せっかくのアイテムが」
勇者は翼の紋章の加護を受けた!勇者は”飛行スキルLv1”を取得した
「飛行スキル!?これは・・・」
「紋章の力を得たんですねボス。おめでとうございます」
「ああ、そういう効果のアイテムなんですね。って僕もボスって呼ばれるとややこしいな。別の呼び方にしてくれません?」
「じゃあ・・・ユートの親分ってのはどうでしょう?」
「はい、それでお願いします」
勇者はレベル12になった
「お、レベルも上がったな」
勇者は魔法”ポイリン”を覚えた、毒や麻痺などのバットステータスを回復する事が出来る
「毒の回復って、もっと早く覚え・・・」
勇者はレベル13になった
「あれ、またレベルが・・・・」
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