第47話 空中バトル
グリフォンに空まで連れて行かれてしまった勇者。地上のギャラリーはそれを見上げていた
「あー、飛ばれちまったな」
「ああなったらもう、飛べない人間に勝機は無ぇ」
「サヨナラ、オレノ、カネ」
グリフォンが余裕を見せる様にグルグルと回りながら跳び背中の勇者に言った
「この高さなら下手に翼を攻撃できまい、貴様も落ちるのだからな!」
「いいえ・・・関係ありませんね!」
勇者はそう言うと武器をしまい、グリフォンが旋回するタイミングで遠心力を利用しグリフォンの片方の翼の中央に移動する
「何!?」
グリフォンはバランスを崩し、斜めに飛行しながら高度を下げていく。その様子を見た魔物は慌て始めた
「おい、あいつら落ちてくるぞ」
「こっちに落ちてこないよな・・・」
勇者は両手でしっかりと翼の羽を掴んで跳ねながら膝蹴りを食らわせてた
「この、しっかりと、ダメージ、入れとか、ないと!」
「ガシッ」
翼に2ダメージ
「ガツン」
…3ダメージ
「ドカッ!」
…4ダメージ
「バシン!」
…5ダメージあたえた
「よし、蹴りのコツが掴めてきたぞ」
「ねちねちといやらしい真似をッ、クエェイッ!」
グリフォンが強く羽ばたき勇者を振り落とそうとする
「おおっ!?」
勇者は掴んでいた羽が抜け振り落とされた。勇者はグリフォンの羽を手に入れた
「うわわ、コレどうしよう!?ダメもとで!」
勇者はグリフォンの羽を使った、勇者は羽を両手で持ち羽ばたいている・・・・
「えい、えい、えい」
「パタパタパタ」
・・・・効果はない様だ。勇者は勢いよく落下している
「やっぱりダメかぁぁぁ!?」
「ハハハハ!落ちる事にあらがえず足掻く様は実にみじめよのう。だが落下死などさせん!我自ら仕留めてくれる!」
グリフォンは勇者に突進した、ライオンの様な爪が勇者に襲い掛かる
「えい」
勇者はグリフォンの羽を使った、ダーツの様に投げた
「クエッ」
グリフォンの顔に当たった。その効果で狙いが外れ、直撃は避けれる事が出来た
「ガシュ」
勇者は14ダメージ受けた、グリフォンの攻撃で腹に巻いたリュックが外れる
「あ、待て!」
勇者はリュックを掴んだ、掴んだリュックの中に空気が入りパラシュートの様に膨らんで落下速度が少し遅くなった
「流石あの店のリュック、鍋と同じで丈夫だな・・・だけど」
下で見ていたハイエナ達が騒いでいる
「おー!何か膨らましたぞあいつ」
「落ちる速度が遅くなってないか」
「生キ残レ、大穴、賭ケ、俺ガ勝ツ」
ボスと真理が冷めた目で落下する勇者を見て呟いた
「パラシュートのつもりかしら?でもあの大きさじゃあねぇ・・・」
「助けるか?」
「ゆうとの事だから大丈夫でしょ、死ななきゃ」
リュックを広げ落下速度が少し遅くなったとは言え、落ちたらただでは済まないスピードだ
「イチかバチか」
勇者はリュックによじ登りリュックの蓋を閉めた、中に空気が入ったリュックは風船のように膨らんでいる
「くっ!」
勇者は地面に衝突する寸前、膨らんだリュックの上に乗りクッションの代わりにして衝撃を和らげた、リュックの閉めた口から空気が漏れ、シューっと音を立てる。勇者は16ダメージ受けた
「ボッ、シュー!」
「ぐぶ・・・な、何とか助かった。傷薬を」
勇者は傷薬で13回復した。地面の衝突から起き上がり傷薬を塗り始めた勇者に歓声が上がる
「おお!ヤロウ生きてんぞ」
「大穴、イケル、カモ?」
ボスと真理が勇者の様子を見て驚くを通り越して呆れている
「あの野郎なんて生命力だ・・・俺の攻撃が効かないわけだな」
「パラシュートをエアバック代わりにするとか、どんだけしぶといのよ・・・この場合エアリュックかしら?」
「クェイ」
傷薬を完全に塗り終える前に、空を飛んでいたグリフォンが着地した勇者に襲い掛かって来た
「ッ!」
「バシンッ」
勇者は迫って来たグリフォンの前足を棍棒で払いながら横へ転がり避ける
「また外したかっ!」
攻撃を避けられたグリフォンは再び上昇し旋回して再び勇者を襲おうとする…が
「シュバババババ」
グルフォンが旋回しようとしたルートに沿って空気の刃を放つ、くの字型の飛行物体が迫った
勇者の投げたカマイタチブーメラン、グリフォンに46ダメージ。翼を切り刻まれたグリフォンは浮力を失い落ちそうになっている
「ぐあああ!」
戦いを見ていたハイエナ達が歓声を上げる
「決まったか!?」
「えー、マジかよ」
「キタ、オレ、モウケタ」
勇者は落ちるグリフォンをぼーと見ながら傷薬を塗っていた、10回復したところで・・・
「身体が大きいからよく当たるなぁ・・・痛て」
だがブーメランが戻ってくる軌道に入ると・・・空気の刃が勇者まで飛んできた勇者に6ダメージ
「シュパン、シュパン!」
その被害は後ろで戦いを見ていたギャラリーまでに及んだ
「うわわわわ!」
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