第40話 ユーシャ・オブ・ザ・デッド
毒の霧が充満しているダンジョンの魔物達
「ゴホ!ゴホ!まったく何だってんだ畜生め!」
「あークソ!かかってくるなら素直に攻めて来いってんだ!こんな嫌がらせしやがって・・・・お?おい見ろよ」
人影がテクテクと歩きながら近づいてくる気配がした
「テクテクテク・・・・」
「人影が見えるな・・・あっちは確か腰抜け共が逃げて行った方角・・・侵入者か!?」
「いや待て!よく見てみろ」
魔物BはAに言われるまま人影をよく観察してみると、その手には木片の様な棍棒と鍋の蓋かと思ってしまうような粗末なバックラーが握られていた、だがそんな事より目についたのは・・・
「うー…がぁ~・・・・」
その者の足取りは重くふらつき、顔は酷く疫病にかかった様なヒドイ顔色で、言葉にならない声を発していた
「なんだゾンビか」
「向こうは井戸に繋がってたから、さまよってたら井戸に落ちたんじゃね?」
「う~…あー・・・」
勇者は毒で喉をやられていた、毒に侵され”うー、気持ち悪ぅ。無理せず真理さんにどうにか引き上げてもらえばよかったかな”と思いながらもダンジョンの中を進んでいる
「とりあえず匿ってやるか、同じ魔物のよしみで」
「だな、いつ敵が入ってくるかもわかんねぇし。おーい!こっち来いよオマエ」
「うわぁ…ん?」
勇者は魔物の呼びかけに”魔物発見”と機械的に反応した。そうとも知らずに魔物達が勇者に近づいた
「ここは今危ねえからこの先の・・・」
「うがぁ!」
勇者の攻撃!だが外れてしまった
「なんだコイツ!狂ってるのか!?」
「ちぃ!この忙しい時に、殺っちまうか!」
魔物達は”さまよう勇者”と戦闘になった!
「この!」
魔物Aのひっかく攻撃!だがさまよう勇者にバックラーで受け流されパリーされた
「うっあぁぁ…」
さまよう勇者のカウンター攻撃、魔物Aに18ダメージ
「うが!コ、コイツ強いぞ」
「これで一気にキメてヤルゥ!」
魔物Bの連続ひっかき、さまよう勇者に15ダメージ
「ほ・・・ィ…り・・・んがぁ!」
さまよう勇者は回復魔法を唱えた、18回復した
「ひぃ!ゾ、ゾンビが回復した!?」
「このゾンビただもんじゃねぇ!!」
魔物達は動揺して動けない。さまよう勇者の攻撃
「ぐぶぅ!」
魔物Aに20ダメージあたえた、魔物Aは倒されてしまった
「ひ、ひい!俺じゃどうにもならねぇ、撤退だ!」
魔物Bは逃げ出した
「うがぁ・・・」
勇者は”逃がすのもアレだし追いかけるか、ガスが少ない安全な場所に案内してくれるかもしれないし”と判断しハヤブサで移動速度を上げて魔物を追った
「テクテクテク…テクククククククククク!」
「ゾ、ゾンビが走ったぁ!?」
さまよう勇者は魔物Bの後ろを、初めのフラフラした歩き方をそのままスピードを上げた様な不気味な動きで追いかけてくる
「なんだあの気色悪い動きは!?ひぃぃぃぃぃい!」
魔物Bはさまよう勇者から逃げた!
必死に!
必死に!!
必死に!!!
「なんでゾンビが走れるんだよぉぉぉ!ゴホゴホ…しまった息が上がったせいで毒を一気に吸い込んじまった、このままじゃマズイ・・・」
「ホ、イィ…リン」
勇者は回復魔法を唱えた、17回復した
「アイツは回復しながら追ってきてるし!反則だろ!!・・・あ!あそこは!」
魔物Bは略奪品置き場を発見した、看板には許可のない物の入室を禁ずると書いてあった
「構うもんか!一先ずここに!おりゃ!」
魔物Bは略奪品置き場の扉に体当たりして強引に中に入った
「ゴホゴホゴホ!」
「何だテメェ!ドア壊すんじゃねぇよ!ガスが入っちまうだろうが!!」
略奪品置き場の中に居た魔物達が入って来た魔物Bに罵声を浴びせる
「よかった!仲間が!助けてくれ、そこにゾンビが・・・」
「うがぁぁぁ・・・う~・・・」
勇者は魔物Bが急に曲がって部屋入ったのを後ろで見ていて”あそこが避難所かな?こっちもそろそろ毒が厳しいし・・・使うなって言われたけどアレで一気に制圧しちゃうか”と思い・・・
「ビャシュン!ババババ・・・…」
カマイタチを使ったブーメランを投げた。略奪品置き場に居た魔物は
「まったく、ゾンビだか何だか知らないが扉を直さねぇと」
「……・・・・ババババババ!」
「ん?なん・・・」
外れた扉を直そうとしたその時、曲線的な軌道をした空気の刃を放つ謎の物体が部屋に入ってきて魔物達を切り裂いた
「ぎゃああああああ!」
「ビャシュン、バシュン、バシュン!」
魔物Bはさまよう勇者からは逃げられなかった。複数の魔物を倒し、勇者はレベル11になった、称号”毒を食らう者”を手に入れ毒耐性が上がった
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