第35話 おはよう!ズドン!
勇者達は兵舎の起床のラッパが聞こえベットで目が覚めた
「パパラパ、パパパ、パパー♪」
真理は気怠そうにムクムクと身体を起こした
「うう・・・ヒドイ悪夢を見たわ・・・」
「真理さんおはよう、面接お疲れ様です」
下の勇者は真理の声に反応して挨拶した
「ああ、おはよ。現実だったんだ…うん」
勇者は体を起こした後、腕を伸ばしストレッチし朝食に誘った
「んーっ、朝食を食べに行きましょうか」
「そうね、よいしょ…っとうわ!」
勇者と真理はベットを出ようとしたら方向とタイミングが重なってしまった
「ぐふ!」
真理の飛び降りで勢いのついた踵が勇者の後頭部を襲う!バランスを崩した真理も転んでしまった。勇者達は3ダメージを受けた
「痛たたた・・・ついてないわね!まったくもう!」
「痛てて・・・あ、あの落書きって」
勇者は昨日見つけた落書きに事を思い出した
「落書きってぇ?」
「ベットに右がどうこうと落書きが彫ってあったんですよ、たぶん起きたら自分から見て右側から出るのがここの兵士の習慣だったんじゃ…だからベットの上と下で枕の位置が逆だったのかと」
真理はヒステリーを起こした
「早く言いなさいよそういう事は!だから部屋の真ん中のベットが置いてあったのね…梯子つければいい話じゃない!そっちの方が上り下りし易いでしょ!」
「敵の襲撃で出動する時に飛び降りる兵士が多かったんじゃないでしょうか、だからこんな規則が・・・緊急時には梯子があると邪魔でしょうし」
「脳筋の軍人どもめ・・・気晴らしにデカいのを一発っ!」
真理は棒に電気を走らせながら棒を強く握りしめた
「お、落ち着いてください真理さん!とりあえずご飯を食べに行きましょう」
勇者は装備を整えた。真理はその様子を目を点にしながら見つめた
「何その頭?」
「鍋を装備してるんですけど?あ、鍋の蓋はどうしよう、何時もはベルトに刺した棒に取っ手を引掛けてたのに・・・」
「ブーメランに引っかけたら?」
「あ、そうですね。さすが真理さん」
「ハハハ…どういたしまして」
勇者達は部屋を出て食堂に向かった、その途中ゴードンと会った
「勇者さん達おはようございます、これから飯ですか」
「はい、おはようございますゴードンさん」
「おはよー」
「じゃあ、一緒に飯に行きましょうや」
ゴードンのその言葉で真理の表情が変わる
「二人っきりにしましょうか?あたしは遠くから愛でてるから」
勇者は離れようとした真理の肩をパンと掴んで止めて言った
「人の多い場所で昨日みたいに妄想したら大混乱になるから絶対にやめてください。僕たちと一緒に食べましょう」
「はーい。ちぇ、つまんないの」
真理は不満そうだったが、ゴードンと一緒に朝食をとることになった。勇者達はスープをもらい一緒の席に着いた
「いただきます、モグモグ」
勇者は下級兵のスープを食べた、味はしなかった
「あれ?味がしない」
「こっちは酸っぱいですよ」
「みんな違う味なのね、同じ鍋からすくってたハズだけど・・・ぱく」
真理は下級兵のスープを食べた後苦しみだした
「ぐおお!美味しいけどッ胃がっ、胃があぁ!」
真理の経験値が上がった。勇者はスープについて答えた
「当たりを引いたみたいですね、調理師が居ないので下っ端の兵士が代わりに作っているのでこんな感じになるらしいです」
「どんな理由よ!」
「真理さん、体調はどうです?僕は胃が丈夫になる永続ステータスを覚えましたけど」
「ん、経験値は増えたみたいだけど・・・今なら覚えられそうね、えい」
真理は経験値を消費し特殊ステータス”貧者の胃袋Lv1”を習得した。食事によるバットステータスの効果を少し抑える事ができる、この効果は永続する
「Lv1って…また食べれば丈夫になるの?」
ゴードンが腕を組んで渋い顔をすて喋り出した
「そうかも知れませんね。ちゃんとしたレシピがあれば多少はマシになるんでしょうが企業秘密とかで暗号化されてるのが多くて・・・」
「魔導書みたいですね、モグモグ」
勇者がモグモグとスープ(?)を食べていると真理が何気なく言った
「あるわよ、レシピ」
ゴードンが驚きの声を上げた
「ええ!?」
「プリン作ったじゃない、材料が特殊だけどアマンダに頼めば貰えるんじゃないかしら?」
「それって食べた人を逆に内蔵から食らうアメーバプリンの事ですか?」
「ダメじゃないですかそれ・・・」
勇者の言葉に”やっぱダメか”と諦めたかけたゴードンだったが、真理は何でもない様に話を続ける
「でもここの兵士ずっとこのスープを食べてるんでしょ?だったら胃が丈夫になった兵士なら大丈夫じゃない?」
「ふむ…試してみる価値はあるか…ガツガツガツ」
ゴードンはスープを一気にたいらげた
「早速アマンダ様に問い合わせてみます。情報提供ありがとうございますマリーさん。じゃあ俺はコレで失礼します」
帰って行こうとするゴードンを真理が呼び止めた
「ちょっと待って!部屋にある箱の鍵の有りかを聞きたいんだけど」
「それなら支給品の装備の中に・・・ってもらってるわけありませんよね。後で届けますよ、じゃ」
ゴードンは早足で去って行った
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