第27話 嫉妬に狂う人間って素晴らしいですよね! By女神
氷りついていまったジョージアは我に返り勇者を問いただした
「勇者殿結婚されてたんですか!?」
ジョージアは勇者の袖をつかみブンブンと揺さぶった
「くっ苦しいです王様!ゲームの中の話ですよゲーム!それにモフニャンさんの中身は男です」
「男!?遊びで男と…結婚!?」
「ゲームってそう解釈されるのか、どう言えばいいんだ一体」
ジョージアは絶句した。その様子を見て真理はニタニタと笑っている
「なんか面白いことになってるわね。フフフフ」
真理は勇者の前にちょこんとたち上目使いで勇者を見ておねだりした
「ねぇゆうと、冒険に出るんなら装備をそろえなきゃいけないんだけど、買ってくれない?」
「そうですね、森へ出発する前に武器と防具の店に行きましょうか。手持ちのお金が少ないですが集めた素材を売ればなんとかなるでしょう」
シンシアが頭を下げ勇者に言った
「勇者様、集めた素材についてなのですが魔物の卵などは放置するわけにはいかなかったので、実に勝手ながらこちらで買い取らせていただきました、こちらがその代金です。これからはそういった物はゴードンに預けてください、向こうにも通達いたしましたので」
700ゴールド手に入れた
「良かった。これで良い装備が買えますね、真理さん」
絶句して固まっていたジョージアが動き出した
「買うんですか!?」
狼狽えるジョージアを見て勇者はキョトンとしながら聞き返した
「勇者がパーティメンバーの装備を整えるのは当然では?」
「あたしをこの格好のまま歩かせる気?あたし恥ずかしぃ何かで隠さないと。ゆうとと♪お買い物~♪」
布をちぎって体に巻き付けただけの格好で真理は勇者に隠れるように抱き着いた。勇者は無反応だ。それを見たジョージアが指示を出す
「シンシアッ」
「はい」
メイド達が真理を勇者から引きはがし取り囲んだ
「え、ちょっと!?」
メイド達が真理から離れると、真理が魔導士風の服を着せられていたのを確認すると王の様な態度でジョージアは言い放った
「これで文句は無かろう!」
真理は意地悪そうに笑った
「ふーふふ、そうねぇ杖もいるかなぁ…ゆーとぉ使ってた棒ちょうだい、どうせ買い替えるんでしょ?」
「な!?」
ジョージアは目を見開き怒りの表情を浮かべた、が勇者は気づいていない
「武器屋に行ってからじゃダメですか?」
「今欲しい、街中で戦闘になったら返すから」
「まあ良いか、はいどうぞ」
勇者はこの棒を真理に渡した。それを見てジョージアは怒りの声を上げる
「勇者殿!ちょっとマリーに甘すぎませんか!?」
「余った装備を仲間にあたえて戦力増強を図るのは基本でしょう」
「そーよぉ、スリスリ」
真理は受け取った木の棒に頬ずりしてジョージアを挑発した、効果は抜群だ!
「ギャアァァ!わたくしを魔物から助けてくださった!・・・わたくしとユート様が初めて会った日の夜の思い出の棒がぁぁ!!」
シンシアは素に戻ってジョージアを止めた
「声が大きいわよジョージア!また要らぬ誤解を振りまくからやめて!」
次に言った真理の一言にジョ-ジアは固まった
「ゆうとの事を名前で呼ぶのね」
「あ…」
ジョージアは真っ赤になり口元を両手で覆った。それを見た勇者は
「名前の方が呼び易いのならゆうとと呼んで構いませんよ?」
「いいのですかそのっ・・・ユート様…」
「はい」
「ユート様…」
「はい」
「ユート様…」
「はい」
「ユート様…」
「いいえ」
「いいえって何です!?」
「いや、ループしてたので違う選択肢を選んでみただけです」
真理は勇者の背中を押し会議室の出口に向かった
「はいはい、もうご馳走様ー。楽しかったわぁ、じゃあね」
「ガチャ」
シンシアは会議室のドアを開けて勇者達を送り出した
「行ってらっしゃいませ」
「ちょ・・・!」
ジョ-ジアは呼び止めようと叫ぼうとしたが扉が開いているのを見て男の声を作ってる間に勇者たちは会議室の外に出てしまった
「待てぇい!その泥棒ネコとはまだ話が・・・」
シンシアは王を羽交い絞めにして止めた
「あの者とこれ以上話すのは危険すぎます」
「うう…シンシア…」
勇者達が去っていく
「じゃあ行ってきますね王様」
「ガチャン」
勇者のその一言を最後に会議室の扉は閉まった。うなだれているジョージアを素に戻ったシンシアが慰める
「うう…ユート様…」
「ジョージア元気を出して、ただあの子はからかっていただけだから」
「で…でも・・・ユート様は…」
「はい?」
悲しんでいると思いきや照れてモジモジしているジョージアにシンシアは混乱したが次の一言で合点がいった
「遊びとは言え男性と結婚してたと言う事は、普段男装している私でもチャンスがあるって事よね」
「本当にめげませんねアナタ…」
ジョージアは王の威厳を取り戻し指示を出した
「シンシア!今すぐあの者たちを追いかけ、棒をいい値で買い取るのだ!国を立て直すプロパガンダに使えるかもしれん」
「ダメに決まってるでしょう」
一方ずっと黙て見守っていたアマンダは…
「ッッ!…ッ……ッ!」
ずっと笑いをこらえるのに必死だった
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