第21話 ニャンニャンがパフパフされるようです
―――――時は戻り、勇者が真理を倒して工房を出た後、工房の中。アマンダは大釜の中のゼリーアメーバのなれのはてを使い生態ゴーレムの錬成をしていた
「これでにょし!この魔法陣なら呪文が唱えられなくても錬成できるはずにゃ・・・さあ!錬成開始!」
「バチバチ」
魔法陣が光り出しアメーバが人型の形になっていくと・・・エネルギーが飽和し爆発した
「ボン!」
工房内に煙が充満し、煙が晴れると二人の人間と気絶した猫が居た。魔女風のエルフは咳込みながら立ち上がりガッツポーズをし涙を流した
「げほげほ・・・おお!成功した!やっと元の身体に…うう」
もう一人の裸の人間もフラフラと起き上がった
「うう…一体どうなったの…」
元の身体に戻ったアマンダは怒りに満ちた態度で起きた人間に指をさす
「起きたか、人の身体を乗っ取った泥棒ネコめ。たしかマリーとか言ったか?」
「は!?この身体は」
工房にあった鏡を見て真理は自分の姿に驚いている。その様子を見てアマンダは自慢げに腕を組んだ
「ふふぅん、中々良い出来だろう。キサマの魂から得た情報で作った身体だからな!」
真理は自分の身体をペタペタと触り
「作った?貴女が・・・」
身体を触っていた手が胸で動きを止める
「元の世界の身体とそう変わりないであろう。まあ、人型ゴーレムを作る制約上アレンジした部分もあるが…」
「作った…アレンジした…だったらもっと…もっと…っ!」
「ビリィビリィ」
真理は怒りのオーラを出して震えながら、近くにあったカーテンを引き裂き身体に巻いた
「どうした?ワナワナと震えて。あまりの出来で感動したか」
真理はカッと目を見開きアマンダに突撃した
「もっと胸を盛れやゴラァァ!!!」
「なんだとっ、ぐべ!」
「ゴロゴロゴロ」
二人は格闘しながら工房の出口に転がっていき
「ははは、それは大変でしたねシンシアさん」
「笑いごとではありません!勇者様も自重してください!貴方が無茶をするからジョージアが心配して・・・」
外で待っていた勇者とシンシアの間を勢いよく飛びぬけて行った。勇者達は驚きながらも転がりながら格闘している二人を見て状況を分析した
「いっ一体何です!?」
「アマンダさん・・・?なんですかねアレ」
「と言う事は身体を取り戻す事に成功したのでしょうか。じゃあアマンダ様と格闘しているネコ耳は…」
アマンダと格闘している真理の頭には猫の耳が生えている。真理はネコ耳をピクピクさせながら奇声を発している
「キィーーーー!」
「痛い痛い痛い!なんなのだ一体!」
「胸まで元どうりにすること無いじゃない!どうせ作り物なんだから!」
アマンダはニヤついた顔になり、真理の顔を自分の胸に押さえつけた
「むぐ」
「なんじゃこの胸が羨ましかったのかぁ。貧相な胸でかわいそうにのぉ!そんなに私の胸がいいのなら、ほれ」
アマンダは真理の顔を両手で胸で挟みグイグイと力を入れた。その時・・・
「なっ!!」
勇者ゆうとに衝撃が走る
「真理め!僕より先にパフパフをっ!」
「勇者様、多少の色事には動じないのではなかったのですか?」
「あれは絶対に外せないモノなんです!」
「はあ…そうですか。アマンダ様マリー様、そろそろ喧嘩はお止めください」
「もがもがもが!」
真理は引きはがそうと暴れているが力が思うように出ないようだ、アマンダもどこか顔色が悪い。二人ともいっぱいいっぱいのようだ
「二人とも調子が悪いようですね」
「その様ですね。勇者様これを」
シンシアは投擲用の回復薬を二つ取り出し、勇者に片方を渡した
「よし、僕は真理さんを狙いますね」
「私はアマンダ様を」
勇者達は大きく振りかぶり、息を合わせ叫び
「「大人しくしてください!」」
喧嘩をする二人に投げた
「バリン」
回復薬は二人の頭に直撃し二人は動きを止めた
「痛っ」
「ぶへ」
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