第15話 森の魔物はどっちですか?

 無事?に朝食を終えた勇者はまた魔物を狩に北の森へ出ようと門の前に居る


「ふー、びっくりした。戦闘でのレベルアップ以外にもステータスを上げる方法があるんですね」


 ゴードンは何事もなかった様に答える


「そりゃね、まあ戦闘に直接関係があるモンを上げるには戦闘するのが一番ですよ。地味ぃーに便利な物もありますが、そんなん上げる暇があったら戦えって話ですからね」


 なるほど、弱って戦闘できないからと言って下手に休むんじゃ無く。補助的なステータスを上げる方法見つける為に街を散策した方がよさそうだと勇者は考えている


「でもなんで、あんな得体の知れない物を兵士に与えてるんですかこの国・・・」


「前はちゃんと戦術調理師がいたんですがね、魔物の影響で死んじまったか逃げるかしてしまって人手が足んないんですよ。食糧も不足してる中、戦場に出れない下級兵がどうにか試行錯誤して作ってるのがアレです」


「戦術調理師・・・そんなジョブがあるんだ、うーん僕が料理スキルを上げるのもなぁ、いやだなー冒険したいなー・・・・」


「勇者さんが気負う事もないでしょう。ちゃっちゃと強くなってこの国救ってください」


「じゃあ、そういうわけで行ってきます」


「お気をつけて。今度こそ無茶しないでくださいよ!」


「はい」


 森に入った勇者はさっそく魔物に襲われた


「ぎゃはは、あそこに鍋かぶったカモが居るぜ!」


「くわはは!何だいありゃ」


 首切りガモ2体が現れた


「鳥型か、前回見なかったな。アメーバ達どうしちゃったんだろ?」


「なにぶつくさ言ってやがる!大人しく食われちまいな!クワ!」


 首切りガモAの攻撃!勇者は盾でパリィした


「ぐわ!こいつまさかバックラーを鍋の蓋に偽装して!?」


 勇者のヘビーアタック!首切りガモに19ダメージ


「ぶえッコイツまさかアメーバ達が騒いでいた棒使い!?」


「兄貴から離れろー!」


 首切りガモBの攻撃!勇者は盾でパリィした。勇者は楽しそうだ


「盾つえー、心が折れそうなゲームでリズム感覚鍛えててよかった」


「オレが引きつけている間に逃げろ!早く他のみんなに…」


 カモAが叫んでる隙に勇者が攻撃、首切りガモAに10ダメージ、首切りガモAを倒した


「兄貴ぃ!くそうぉー」


 首切りガモBは逃げ出した


「逃がすか!」


 勇者は逃げたカモを追跡した、首切りガモBに追いついた


「ピエエ!しまった!」


「くらえぇい!」


 勇者の走りながらのヘビーアタック!会心の一撃だ!首切りガモBに25ダメージ首切りガモBを倒した


「ぐわっぷ!」


 魔物は塵になった。勇者のレベルが上がった、レベル5になりステータス上昇、スキル”カマイタチ”を覚えた、武器を強く振ることにより風圧のよる風の刃で範囲攻撃を行う事ができる


「範囲攻撃ッ早く試してみたいな!」


 勇者は興奮している!


「ピヨピヨ」


 勇者はひな鳥の鳴き声をするほうに目をやると


「ん?あ・・・」


 鳥型モンスターの巣を発見した!魔物達はすでに戦闘態勢に入っている!


「コイツ!まさか噂になっていた例の昨日出没したシリアルキラーか!?」


「弱そうな外見とは裏腹に負傷しながらも笑いながら喜々として魔物を殺しまわっていたという…」


「メスとガキは下がらせろ!ここはオレ達が食い止めるッ」


 勇者は空笑いしている


「ハハハ…試す魔物多すぎだろ、やってやらぁ!!」


 魔物達との激しい戦闘が開始された!のだが・・・戦闘の内容は省略する


 1時間後…勇者はレベル8になった、回復魔法ホイリンを覚えた、魔力を使い体力を回復する事ができる


「勇者さんが帰って来たぞー」


 勇者が北門に近づくと門番の一人が大声で勇者の帰還を知らせた。門をくぐったところでゴードンが勇者を出迎える


「勇者さんお帰りなせぇ、今日は昨日ほど傷だらけじゃないんですね」


「ええ、装備を整えましたから。傷薬ってすごいんですね」


「ハハハ、でも薬塗った跡で全身テカテカしてますよ。その手に持ってる鍋は?」


「あー、これですか、卵を拾ったんですが割れない様に鍋に入れて運でたんですよ、買い取ってくれますか?」


 勇者は鍋の蓋を開けた、中には鍋いっぱいの魔物の卵が入っていた


「おお、こりゃすごい、こりゃあ高く売れますよ。魔物をどうにか家畜に出来ないか研究してる学者さんが居ますからその人なら・・・」


「すみません、これ持っててくれませんかゴードンさん」


 勇者はゴードンに鍋を渡した


「ええ、はい?どうしたんです?」


 勇者の様子がおかしい、勇者は肩にかついだ袋の中身をゴードンに見せた


「あとこれ、冒険者の遺品以外にも、魔物の残骸がたまに残るようになったので回収しました」


 勇者はレベル7になった時スカベンジャーのスキルを習得していた、一定の確率で魔物の素材が残る事が有る


「おお、魔物の一部ですか!これは材料に・・・勇者さん?」


 勇者の額から血がにじんでいる


「すみません、回復魔法は覚えたんですがスキルの使い過ぎでMPが足らなくて・・・ぐっ」


「ドバァ」


 勇者は全身から血を流した!そばに居た門番が悲鳴を上げる


「ひぃぃぃ!勇者が液化したぁ!」


「ギリギリ塞がっていた傷が開いただけだ!衛生兵ぃー!」


 ゴードンの的確な指示により勇者は一命をとりとめた

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