第11話 ビギナーズ・ハイ
道中に魔物に襲われかけたが、それに気づかないまま逆に精神的に魔物を追い詰め、無事に北門に到着した勇者達。彼らを門番が出迎えた
「シンシア様ようこそいらっしゃいました。そちらの方が例の勇者様ですね」
「ええ、少々癖の強い方ですので気をつけて扱ってください」
「よろしくお願いします門番さん。勇者ゆうとです」
「ガハハ、こちらこそよろしくお願いしますよ勇者さん、俺はこの北門の警備責任者をやらせてもらってますゴードンってモンです」
豪快にバンバンと勇者の背中を叩いたゴードンは何かに気づいたのか、キョトンとした顔をした
「勇者にしては随分とキャシャですね?ウチの新人よりも弱いんじゃないですかコイツ?」
「残念ながら無敵の救世主とまではいかなかったようです。ですが狂気すら感じるほどの冷たい熱意の様な物をもっているので素質だけなら十分かと、苦労するかと思いますがしばらく面倒を見てやってください」
「ありゃ、勇者が救ってくれるから大丈夫、めでたし、めでたし、とはいきませんか。よし!俺がちょっと稽古つけてやろうか勇者さん」
「いえ、大丈夫です。それより魔物と戦わせてください、そっちの方が恐らく早いと思うので」
木の棒を持ち自信ある顔つきの勇者は、流石にチュートリアルが長いとじれったく思っている
「戦うってその棒でですか?」
門番のゴードンが怪訝な顔をしているのでシンシアは勇者をフォローした
「勇者様は城内に侵入していた魔物をその棒で倒しました」
「マジですか。棒術は武器術の基本って言いますが、それにしたってねぇ」
勇者は遊園地の乗り物の順番を待つ子供の様にそわそわしている
「それじゃ、僕はもう行きますね。これが手形です」
「それでは勇者様、私はここで失礼します。潜入している魔物がアレだけとは限りませんしジョージ王様の所へ戻らなくてはなりません」
「はい、ありがとうございましたシンシアさん」
勇者は外へ早足で歩いていった。門番は勇者を止めようとするがシンシアにはばまれた
「ちょっと勇者お一人で行く気ですかい!そんなん許すわけにはっ・・・」
「行かせてあげてください、勇者様は助けを借りる事を極端に嫌う方の様ですので。ですが勇者様がいつ戻って来てもいい様に医療班を待機させてください、文字道理、命知らずを地で行くような人ですから」
勇者は笑顔で森の中に消えて行く
「様子見ですからすぐ戻ってきます。いやぁ、初めて自由に戦えるこの瞬間は何度経験してもワクワクするなぁ」
「子供みたいな笑顔しやがって、なるほどね、確かにイカレてるわ・・・」
門番のゴードンは何かを諦めた。森の中の勇者は
「ふふふ、ワープ系の魔法もアイテムも無いし、あまり遠くへ行かない様にしないと」
「ケケケ、一人で森に入るとは言い度胸だ!」
ゼリーアメーバが3体に遭遇した
「出た、いかにもスライム的なヤツが」
勇者は不敵に笑っている。魔物達は困惑した
「コイツ、狩られる側の目をしてねぇ・・・」
「落ち着け長男!どう見ても弱いだろコイツ!」
「次男の言う通りですよ、防具も剣も持ってな・・・」
勇者の攻撃!ゼリーアメーバCに8ダメージ
「ぐべ、いてぇな!」
「キサマよくも三男を!」
ゼリーアメーバBの攻撃、勇者に3ダメージ
「ふん!」
勇者の攻撃!勇者は攻撃してきたアメーバBには反応せずCを狙った、ゼリーアメーバCに7ダメージ、ゼリーアメーバCを倒した
「ピギィ!」
「確実に数を減らすこの戦い方は!」
「三男のかたきぃ!」
「待て、次男!」
勇者は飛び込んできたアメーバBにカウンターを入れた!ゼリーアメーバBに関心の一撃!13ダメージ、ゼリーアメーバBを倒した
勇者はレベルアップした!レベル3になった。
勇者はスキル”ヘビーアタック”を覚えた、敵単体に大きなダメージをあたえる事ができる
「敵を倒した段階で経験値入るんだ。でも傷は回復しないんだな」
「ひぃ!やっぱコイツ戦い慣れてやがるッ。この手は使いたくなかったが…くっ」
「ん!?」
”生きてこその物種だ、俺は魔物の誇りを捨ててでも生き残る!”と決死の覚悟で秘儀を放った!アメーバAがつぶらな瞳で勇者を見ている
「たすけて ぼく わるいアメーバじゃ な……」
「ふん!」
勇者のヘビーアタック!ゼリーアメーバAに16ダメージ、モンスターたちを倒した
「ブギィ!」
「これがスキルか・・・」
モンスターは塵になって消えた、塵の中からこのモンスターに食われたであろう人物の遺留品が出て来た
勇者は30ゴールド手に入れた
「仲間になりたそうにこっちを見ていた気がしたが・・・こんな序盤で、魔物使いにもあわず、馬車だって無いのにモンスターが仲間になるわけないだろ」
この後、勇者はグルグルと30分北門の近くで粘りアメーバ相手に戦闘した。街に帰る頃にはレベル4になっていた
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