―――勇者、異世界に旅立つ―――
第3話 勇者召喚
クプウルム王国、王宮内。そこで国王と神官達による召喚の儀が行われていた。
「王様!魔法陣が反応を!」
「おお!女神は答えてくれたか!神よ感謝いたします」
召喚に必要な道具をいくつか失い、成功するか不安だったがこれで何とかなりそうだ。
「フフフ・・・」
祈りを捧げている王の耳元で神々しい女性の声がし王に告げた
「せいぜい、後悔するが良い・・・・」
その言葉に王は驚愕した
「なに!?」
「バシュゥゥン!」
魔法陣に衝撃波が走り一人の男が姿を現した
「おお、おいで下さいましたか勇者よ。王様?どうかされましたか」
「い、いや何でもない」
王は神官の言葉で我に返った。先ほどの声は王国の危機という不安がもたらした幻聴だったのろう。魔法陣の煙が晴れていき勇者の姿をハッキリ確認する事ができた。片膝をついて跪いている中性的な全裸の男性だった
「痛たたた・・・え!なんで僕、裸なんだ!?」
王は直ぐに状況を理解した
「誰かある!」
「はい、なんでしょう」
メイド達がどこからか現れ王に一礼する
「直ぐに勇者殿にお召し物を」
「かしこまりました。では勇者様、失礼いたします」
メイドがどこからかメジャーや衣装を取り出し勇者を囲んだ
「え、ちょっと一人で着替えられますって!」
「もう済みましたよ」
勇者はすでに中世の様なデザインの服に着替えさせられていた
「早っ!?メイドさん凄っ」
「お褒めに預かり恐縮です」
王様が一歩勇者へ歩み寄るとメイド達が左右に分かれ道を作る
「勇者殿、申し訳ない。強引な儀式を行ったため、この様な事になってしまったようだ、許してほしい。そしてよくこの国の危機を救うため召喚に応じてくれた、感謝する」
「いえ、気にしないでください大体の事情は聞いてますから。無理やり飛ばされた気はするけど・・・ん、王様?」
勇者は不思議そうに王の顔を見つめ
「何であろうか、勇者殿」
「意外とお若いんですね。てっきり髭の生えたオジサンかと思ってたので」
「気づかれましたか、勇者殿がおっしゃる様に余はまだ王になるにはまだ若く日が浅い。父上と母上が生きておられればよかったのですが・・・」
「すみません。僕失礼な事を・・・」
「いえ、良いのです勇者よ」
王様は顎を押さえて何かを呟いた
「せめて付け髭でも用意するべきだったかしら」
勇者は王の声を上手く聞き取れず聞き返した
「何か言いましたか王様?」
王は慌てて誤魔化し
「何でもないのです勇者殿!さあ詳しい話は会議室に行ってからにいたしましょう」
勇者たちは会議室に移動した
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