第4話 高校デビュー!!④
全裸男の件がひと段落したので、俺はこれから自分のクラスの教室に行こうとしていた。自分のクラスは1年A組。何でも、ここの学校はA~Gの7クラスがあるというのをパンフレットや学校のサイトで調べ済みだ。
そして、この学校のもう一つの特徴はとにかくデカい。
学校の敷地は東京ドーム約4個分の広さもある。東西南北のそれぞれに出入り口(校門も含める)がある。しかも、学校の敷地内にはデパートが建っている。一般の人も入れるデパートがね。もちろん、ここの生徒も利用できる。それに24時間営業のコンビニとファミレスもある。
これでも、ほんの一部にすぎない。他は、寮が一番広い。ここだけで東京ドーム2個分はあるだろう。寮にはエレベーターと冷暖房が完備されており、理想的な学生生活をサポートしてくれるだろう。それに、食堂がある。そう。学食というヤツだ。ここは学生専用で、リーズナブルな価格で色んな料理を楽しめる。定番のうどんやラーメンの麺類から、定食類、デザート類まである。俺もサイトでメニュー表を見たが、覚えるのを苦労する程の品揃えだった。
素晴らしい学校だろ?
でも、この学校で変態(全裸野郎)が出るとは思わなかったよ。もし、あいつが生徒だった場合、退学処分か重度の停学処分になると思う。あんなことをして、タダで済むわけがない。きっと学校側も対処するだろうな。
まあ、そんな終わったことはほっとくか。
そんなことを考えながら歩いていたら、校舎に到着した。
校舎ももちろん広い。俺は校舎の中に入り、1年A組を探していた。クラスの学年と
学校が楽しみだったから早く来すぎてしまったな。
と浮かれていたら、俺の入室に気付いたのか、3人がこちらを見ていた。俺は圧倒的コミュ障を発動!! 石で固められたようにガチガチに緊張した。人間の視線は俺を石に変えてしまうのだ。
すると、3人の内の一人が俺に声を掛けてきた。
「やあ。君、このクラス?……だよね。僕は
にこやかに微笑む青年は俺に握手を求めてきたので、握手に応じた。
「は、はは、はい。よろしくお願い致します。」
ダメだ。テンパってしまった……。
その様子を見ていた柿崎はフッと笑い、こう言ってくれた。
「大丈夫だよ。そんな、かしこまらなくても。ところで、君の名前は何て言うんだい?」
そういえば、名前を言い忘れていたな。俺は言う。
「さ、
「へぇ~、斎藤君か……憶えやすい名前だね。」
「はい。ありきたりな名前ですからね。」
「あ、ごめんね。そういうつもりじゃなかったんだけど―――」
「いえいえ。別に気にしてないので。」
「いや、気にしてるよね? そういう顔をしてるよ!」
「ホント大丈夫ですから。」
「斎藤君に悪いことをしたから、はい。これ」
俺は丸型のチョコを柿崎に渡された。
柿崎が続ける。
「これは僕の地元で売ってるチョコレートなんだ。ほんのお詫びの
俺はチョコの包み紙を取り、口に含んだ。
美味い。すっきりとした甘さの中にカカオのふんだんな香りが口いっぱいに広がって……ああ、たまんないなコレ。
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