4話 『魔力の使い方』、熟読
そうだよっ! よく考えればこの家ロウソクとか数えるほどしかないのに明るかったのってダイダラさんが魔法使ってるからじゃねーかっ!
急いで戻ってきた俺は開いたまま放置していた『魔力の使い方』の前で正座をし、心を落ち着かせてから次のページに手を添える。
よしっ! 俺は明弘だった時のファンタジー知識は封印して、とりあえず『魔力の使い方』の熟読を開始します。いざ、めくりますっ!
うん、明弘だった時の記憶が勝手に脳内変換しちゃってるがちゃんと魔法使えるじゃんっ! さっきまでの俺、せめて次のページまで読んどけよっ!
魔力を使うには三つの方法があるらしい。
・一つは魔力を秘めた
・もう一つは大気中に漂う
・最後に自分の
三つとも長所と短所があらしく、
マナを使う場合は神の残滓、つまり|何かしらのエネルギーが豊富になければ発動さえもできない。利点はマナを引き寄せる為だけにオドを使うので、魔力の消費量が少ないことだ。
最後の自分の魔力を使う場合は、個人個人に
簡単にまとめるとマテリアルは高価だけどいろいろ使えて便利。マナはある場所と無い場所があるので不安定。オドは属種が決まっているがその代わりにオドが切れるまで魔力顕現ができる。うん、解りやすい。
そのため、戦場で大規模な魔術戦はまず行われない。マテリアルを集めるのにお金がかかる。オドを使用すると魔力の強弱のバラつきが目立ち、弱点が如実に解ってしまう。マナは軍隊規模で使用するとあっと言う間に枯渇してしまう。だそうだ。なので個人単位で使われることが主流らしい。
なるほど、次いってみよー
魔力は誰でも持っている。が、オドに精製できる上限は個々で決まっていると思われる。つまり、魔力を持っていてもオドの精製量が少なければ魔術を顕現することができない。
うん、まじで?
剣と魔法のファンジー異世界で魔法が使えないってじょーだんじゃねーぞ!
まずは身体の魔力の流れを掴み、自身のオドの属種を知ってください。
どやって? おい同人誌っ! どうやって身体の魔力の流れを掴み取るんだよっ! これで情報終わりかっ!?
どうせぃっちゅーねんっ! この情弱同人誌めっ! 燃えちまえっ!!
ボっと火がついた。『魔力の使い方』に
「うわああああああああああ」
なんで? なんでなんで? どうしたっ! 情弱っ? なにが起こった?
「大きな声上げてどうしたファイ? おお、魔術を使ったのか?」
俺の悲鳴を聞きつけて来たのか、カウンターから顔だけでこの部屋を覗いていた。
「魔力? これが? 燃えりゅのが!!?」
「うん、ファイのオドは火のようだな。一番術者が多く攻撃手段が多い魔力だな」
冷静にダイダラさんが解説しているが『魔力の使い方』の燃える勢いは止まらない。
「【 砂よ、炎を覆いて熱を奪え――― 消火】っと」
何処からか砂が舞い散り、『魔術の使い方』に降りかかる。
「あたしのオドは土だ。戦いではあまり使わないが鍛冶の時に鉱石の分別など使い勝手がいい。
ファイの炎はどんな
律? なにそれ? おいしーの?
「うん? なんだその顔は? その本を読んだんじゃないのか? 律は魔力を顕現させる呪文みたいなやつだぞ?」
「えー? 燃えろって思ったら燃えちゃったんだけど・・・」
「ほうっ! それはすごい。無詠唱か! 実際に見るのは初めてだ。なにかまたしてくれないか?」
えーかなり勢いだけでやっちゃったからななぁ。うん、マンガみたいに手に炎だし…いや熱そうだからやめと…
掌から青い炎が溢れ出した。
「うわああああああああ、あつううううううう」
「ふむ、ちゃんとコントロール出来ているんだな。火傷一つしていない」
「うう? あれホントだ熱くない」
うわーーーすっげぇすっげぇ俺、魔法使いになりましたっ!!!
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