第3話 ほのぼの
俺はもっと不幸にならなくてはいけない
何故なら、俺は不幸によって
もっと高みに上れる人間なのだから
どうぶつたちが仲良く暮らす森に一匹のライオンがいた
ライオンは外敵からみんなを守った
ライオンはどんどん強くなっていった
ライオンは、か弱い子ウサギたちとじゃれ合おうとしたが
強くなりすぎたライオンは、撫でるだけで相手を傷つけてしまった
ライオンはじゃれ合う術を知らない
EASY3 『ほのぼの』
俺の祖母が他界した。
実家の近所に俺のおばあちゃんは住んでいたので、幼い頃からずっと可愛がってもらっていた。
最近は会うのも久しくなり、だいぶ前に入院している時に一度見舞いに行ったきりだった。
実際に死んでしまうと、「あぁ、もっと見舞いに行ってあげればよかったなぁ・・」と少し後悔した。
俺のオヤジは離婚して借金と女を作ってどこかへ行ってしまったきりだった。そんなオヤジは自分の母親の葬式にも顔を出さなかった。いや、出せなかったのかもしれない。どっちにしろ、俺はそんな名ばかりの『オヤジ』という存在を許せなかったと同時に、可哀相な人だと同情していた。
葬儀も終わって、葬儀を手伝ってくれたケイコは実家に泊まった。
婚約した仲でもないのに、身内の葬儀を手伝ってもらうのは筋違いだったが、女手が足りなかったので、俺の身内も特に何も言わなかった。
言った事はといえば、「あの娘と本当に結婚するの?」などといったありふれた言葉だけだった。
そしてその夜。
ビールをたらふく飲んでかなり酔った俺はなぜか欲情し、久方ぶりにケイコを襲ってしまった。
俺もスキモノならヤツもスキモノ。
拒む理由もないケイコは、「待ってました!」と言わんばかりに自らポンポンと服を脱いだ。
今更、ムードよく脱がせようという気もサラサラない俺は、その時は面倒臭くなくて都合が良いと思った。
男には酔うと使い物にならない場合とそうでない場合がある。大切な相手とは、前者の場合が多いのだが、ケイコの場合は後者のようで、相手を選ばずに欲情した俺の如意棒は使用可能だった。
(今夜は何か雰囲気が違う・・・おばあちゃんが死んじゃった事が原因なのだろうか?ひょっとして俺は寂しくて誰かに甘えたくてケイコを襲ったりしているのだろうか?)
その妙な感覚が自分でもわからないまま、勢いに任せた前戯が続いた。ケイコはすでに受け入れる準備万全と言ったところ。すでに俺が指で愛撫しなくとも、ヤツは自分で愛撫(?)していたようだった。なんというか用意周到というか、男がしないといけない行為をすでに済ませてくれているというのは、嬉しいやら悲しいやらで、もはやそんな事はどうでも良いことになっていた。
そして、いざ挿入してみたものの、何度か味わった同じ料理を、キュピーンと新鮮な感覚が脳天を直撃するでもなく、食べなれて安心するが面白くない味。それがケイコの性器の感想だ。
味に飽きたとなると、そこにちょっと別の薬味を加えて食べてみたくなるもの。
とりあえず外に出てみた。いわゆる『青姦』だ。
お互い、すっ裸でサンダルを履き、おそるおそる辺りを見回す。空は深夜で真っ暗で少し肌寒かった。俺の家の道を挟んだ反対側は、トラックの運送屋だったので深夜でも電気がついて、そこにトラックの運ちゃんが常駐していた。もし運ちゃんがこちらに気付いてしまったら、確実に変態な男女のまぐわいを発見されてしまうであろう近い距離だった。
「やばいよぉ~、見られちゃうよぉ・・・・」
そう心細げに言うケイコだったが、「止めよう」とは一言も言わなかった。
ヤツも期待しているのだ。我が身を露出する事で得られる変態的興奮を。
俺はバックで挿入したまま、ワンちゃんスタイルでもう少し道の方へと歩み寄った。
挿入したままだと歩きずらいので、運動会の二人三脚のような歩調で少しずつ移動した。
こちらから運ちゃんの歩いている姿が黒い影で見える。それを見たケイコはさらに興奮したらしく、自分の乳首をグリグリと引っ張っていた。
「はぁ・・!はぁ!」ケイコは興奮して吐息を漏らしていた。
これはもはや止めても止まらない状況なのだろうなと思った俺は、そこで激しくグラインドしてケイコのお尻がぴったぴったと音が出るほど突いてやった。
「気持ち!・・・あ、あぁんッ!」
ケーコのよがり声が大きく響いたので、さすがに俺はやばいと思い、ヤツの口を慌てて塞いだ。そして塞ぎながらも、俺のご奉仕は止まらずに続けた。
お互いすっぽんぽんの男女が深夜に道端でSEXしている行為を見た運ちゃんは、一体どんな態度をとるのだろうか?こちらに歩み寄って来て、「こんな卑猥な行為を若者がしちゃイカン!」と、時代錯誤なお説教でもするとは思えない。確率的には、深夜の仕事で鬱憤と性欲が溜まっているのが相場だと考えた方が正しいだろう。おそらく、運ちゃんは俺たちを見付けると、仲間を2~3人呼んでしばらくこちらを観察する事だろう。そこで収まりがつけば、この世に犯罪というものはなくなるハズ。だが、見せられた方は「見せた方が悪いんだ!」と勝手に責任を転換する思考を持ち始める事だろう。
膨らんだ性欲は、一気に暴発して弾け飛ぶ。
そうなったら俺みたいなひ弱な男なんて、一発顔面にパンチを食らうだけでのびてしまうのは必死だ。
深夜まで働き荷物を載せたりして鍛えられたあの太い腕の一撃は相当なものだろう。そうなってしまったらもう俺は御仕舞いだ。俺とケイコは引き離され、俺はひとりの男にみぞおちにもうイッパツ食らい、立っているのもやっとでその場に崩れ落ちるだろう。そしてケイコを取り押さえている2人の男は、まず口を塞ぎそしてトラックの座席の中へと連れさられてしまうのだろう。深夜のキツい業務中に、空から降ってきた牡丹餅の如くその非現実的な出来事に、運ちゃんの思考回路を狂わせて受け入れてしまうだろう。目の前にある若い女体を目の前にして、それを抑えられる術もなく、飛び掛るように押さえつけられ、そして乱暴に胸を揉まれ乳首をつままれ、半分に切ったメロンの汁でもすするかのようにアソコにむしゃぶりつくだろう。ケーコも最初のうちは、「いやだぁ!ヤメて、ヤメてよぉ!」と抵抗するかもしれないが、男の腕力に敵わないと判断するとそのうち諦め、それならいっそこの苦痛を快楽に変えてやろうという思考が自然に働いてしまったのだった。変態の素性を持つこの女ならそうなり兼ねない。いや、俺はそうなる事を確信して疑わない。そして遂にはケイコは運ちゃんのいきり立ったものを、何の抵抗もなく大きな口を開けて美味しそうに咥えはじめた。
「んっ・・ん・・・」
顔の左右両方にビンビンといきりたつ男根を、右手と左手で掴み、交互に順番にそれをしゃぶって御奉仕していく。そのうち俺をボコボコに殴った男もトラックの助手席へと乗り込みそれに加わった。
トラックの運転席には汗臭くて体つきのよい野獣が三匹と、そのいけにえになった女が全裸で押さえつけられている。その狭い空間にひしめき合い無言で欲望のまま行動する様は異様でもあった。
一人には胸を揉まれ舐められ、一人には男根を咥えさせられ、ひとりにはあそこをベショベショになるまで愛撫され、もはやケーコ自身も冷静な判断力など、とうにどこかへすっ飛んでしまっているようだった。
「はぁはぁはぁ!んっ・・ん!」
髪を振り乱し快楽をむさぼる様こそ、これが本当の女の姿なのかもしれない。複数の男性から自分という存在を貴重なものと認められ、その愛を一身に受ける。これこそ女本来の願望なのかもしれない。
過ちとは、人間が作り出したつまらない規則に縛られているだけなのだ・・・・
とにかくその行為が続いているうちに、ひとりの男が我慢できなくなってその太い男根をケイコにブスリと突き刺した。俺のような軟弱でか細い男根とは違い、その自信に溢れた活気のある男根は、ケーコの粘膜をビリビリと刺激し、それに答えるかのようにケーコの肉ヒダはぬっぽりと男根をまるまると飲み込んでいった。
あたかもそれは子ウサギを飲み込んだ大蛇のようでもあった。
「こいつはたまんねぇぜ・・!」そのぬめぬめと温かい快楽に運ちゃんは喜び、腰を激しく振る。
片方から強く突かれた反動で、ケーコの咥えた男根がさらに喉の奥まで入っていく。片方はバックで、もう片方にはフェラを。むせて吐き出したくなるがそうはいかない。
「んぐうぅ・・!むっむっ!」
ケーコは気持ちよくて気持ちよくてもう目が虚ろになってしまっている。俺はというと相変わらず腹部に重く響いている痛みを堪え、そして植えつけられた恐怖に立ち向かう事もできずにただガチガチと怯えていた。はるか太古の昔、強いものが弱いものの女を力ずくで奪い取ることなど当然の行為だったのかもしれない。そんな風にして人類は進化してきたのだ、などと今はそんなどうでも良いことをふと考えたりもした。とにかくケーコはトラックの運転席と助手席で3人の強者たち相手に強姦・・いや、慰め物として献上されているのだった。運ちゃん同士も立場を変え、入れ替わり立ち代わり、長々と楽しめるように自然とルールが出来上がっていたようだった。
「も、もう俺ダメだよ~」
その快楽に我慢できなくなった筋肉質の若い男が、バックでまずケーコのお尻に大量の精液を浴びせた。ビシャッっと勢いよく出たその精液はケーコのお尻からダラダラと垂れた。
次の一人は中年というより老人に近く、ケーコが騎上位の体制でいて、その横で舐められてもらってる時に我慢できずに顔にドバッと豪快にぶっかけた。
「ぐわっ、出ちまったい」
その量は凄まじくよほど溜まっていたのだろう。少し黄ばんだドロドロの精液だった。
そしてもう一人は、イケメン風のヤンキー兄ちゃんがケーコの体がザーメンまみれになったのを見てさらに興奮し、正上位になり無我夢中でピストン運動を繰り返していた。
「あぁ~もう出ちゃいそうだよォ!俺もう中で出すかんな!」そう大声で叫んだ。
それを見ている二人の男はすっかり満足し、エロビデオでも見るかのように平然とそれを眺めていた。そしてそのうち、「いいよ、出しちゃえ、出しちゃえ!」と他人事でのように茶化していた。
ケーコは、「だめ!ダメだよ!中で出しちゃ絶対だめだから!あぁ~ん!」
「うくはぁッ!も、もうだめだ俺もう・・!」
「ヤダ!だめぇ!だめだったらぁ!」ケーコはそう叫ぶがその声は届かない。
「うぐうッ!・・・・クッ!!!」遂に中で出してしまった。
「あッ!あッ!あぁ~ッ!!!」
「うわ、やべぇ。中で出しちまったよぉ!ワリィ、ワリィ」
ヤンキー兄ちゃんはそういうと、頭をポリポリと掻きながらケーコから物を抜いた。
「あぁーん!うぐぅ!ひっく!」
ケーコは中に出されてしまい泣きじゃくった。
トラックの運転席には、横たわったケーコの体にかけられた大量の精液が、月の光でおぼろげに照らし出されていた。筋肉質の男がタオルを一枚かけてやると外におろして、俺のいるところに連れてきた。
そこにはタオルで体を隠す気力もなく、全身ザーメンだらけになったケーコがヨロヨロと歩いてきた。
「悪かったな・・兄ちゃん・・・」
そう言って俺の肩をポンと軽く叩いて駐車場へと戻っていった。
・・・・・・・・・・そんな妄想をしながら、俺はケーコをバックでバスバス突きながら耳元で囁いていた。
「あ・・あぁ~ん!ダメぇ!そんなコト言ったら・・・あ!だめぇ!」
我ながらリアリティのある空想話にケーコは完全にトロけていた。そして自分のクリトリスと指でつまんで擦っていると、プシャシャァ~っという音とともに潮を吹いてしまった。かなりの量の『潮』が地面のアスファルトにビチャビチャとこぼれ、ちょっとした小さな水溜りのようになった。俺は(けっこう量が出るもんだな)と思っい、なんだか俺はそこで満足してしまったので自分の物をぬいた。
ケーコはまだ乳首をつまみながら自分のクリトリスを擦っていた。潮は止まったがまだ快楽は続いているようだ。俺はなんだかまわりが気になってしまい、見つからないかヒヤヒヤし出した。ケーコはそのうちまたも2度目の潮を吹いた。さっきほどの勢いある噴射ではなかったが、それでもその『潮』がふとももをタラタラとつたって足元を濡らしていった。俺はそれを見届けるとサッサとケーコを連れて家の中に入った。
そしてお互い眠くなったので俺たちは毛布にくるまった。俺がウトウトしだすと、ケーコが俺に話しかけてきた。
「アキラや・・・アキラ・・・おばあちゃんだよ・・・」
なんとケーコの体に、おばあちゃんの霊が憑依したのだった。それから俺はおばあちゃんと色々な話をした。おじいちゃんもすぐそこにいるらしい。あとから考えてみれば、これはケーコの演技だったのかもしれない。だがこの時は、おばあちゃんの霊と話せたことが純粋に嬉しかった。
とかくいろいろあった夜だった。ねむい。
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