「謎解きはディナーの後で」感想雑感

 読みました。


 この作品、かなりラノベっぽいと思ったのですが、ラノベとは決定的に違いますねぇ。ちょっと感心してしまったんです、ラノベ的な文章の巧い使い方です。


 これ、ラノベだとものすごく簡素な文体で、普通の文芸小説並みに濃密に人間関係だの何だのを書こうとしてくるんですけども、この作者さんは簡素な文体で簡素な内容しか書いてないんですね。星新一並みにドラマパートは省略形です。


 人間関係的なアレコレだの、人物を掘り下げるだのは一切切り捨てて、新本格など正統推理系の、謎解きだけを際立たせる手法として利用していると思いました。


 なので、読んでる者としてはすごく軽い気分で読んでいられます。キャラには注目しなくていいわけですからね。そのくせ、話数を重ねるごとにじわじわとキャラは上書きで存在感を増していきます。巧い手だなぁ、と思いましたね。


 ラノベにはカテゴライズ出来ませんね、これはまさしく正統系のパズラーです。

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