第20話  エルフの長

 ――所変わりアスモデウス城




「むっ? ジンが死んだようだな」


 人間の女との交尾中だったアスモデウスは、交尾を済ませると、老魔族を呼んだ。


「おい、サバサよ。以前俺様が丸1日交尾をせず魔力をため、特濃の魔力で孕ませたドラゴンがいたよな?」

「ええ、おります。普段は1日あたり200匹前後は孕ませるアスモデウス様の魔力を、たっぷり注ぎ込み生まれたドラゴン様ですね」

「そいつにジンが最後にいた場所に行くよう命令しろ」

「分かりました。ただし、あの方は気難しいところがありますので、すぐにというわけにはいかないかもしれませぬが……」

「ふん。細かい連絡事は任せる。俺様はそんなことに使ってる時間はないんだ。早くメスを連れてこい。そうだな、今はクマの気分だな。ああ、それと、この人間のメスはもういらん。あそこの具合が悪くなった。まあ、既に10匹近く産ませたしもう十分だろう。もう生命力もたいして残ってないから、農作業もできないだろう。お前らで食っていいぞ」

「はっ。ありがとうございます。ありがたくいただきます。では、ドラゴン様への連絡はお任せください」


 そう言いながら、サバサと呼ばれた老魔族は、泣きすがる人間の女を無理やり押さえつけ、女と一緒にアスモデウスの部屋を出て行った。





――エルフの里




 ミノタウロスの魔物を退治した俺たちは、エルフたちに歓迎されていた。


「人間の方々、エルフの里の長として、お礼を申し上げます。私はエルファと申します。お礼の品も差し上げたいですし、今日は里に泊まって頂けないでしょうか?」

「ええ、助かります。よろしくお願いします」


 透明がかったドレスのような服を着た、シースと同じくらい爆乳の、透き通るような白い肌をしているエルファさんにそれぞれ自己紹介を済ませて、エルフの里に入った俺たちは、10分ほど一般のエルフたちと話をしていたが、エルファさんの家に呼ばれ、行くことにした。


「ようこそいらっしゃいました。どうぞ、こちらへ」


 エルファさんは大きなテーブルへ俺たちを案内した。そして、家の奥から赤く輝く宝石を持ってきた。


「これは、古くからこの里の宝として受け継がれてきた宝石です。なんでも、特殊な力を秘めているという言い伝えがあるのですが、その力というのは、私たちには生かせないのです。昇様達に差し上げるのが一番だと思います。どうぞ、お受け取りください」

「失礼します」


 そう言って、俺がその宝石を持った瞬間、俺の脳内にこの宝石の説明文が浮かんだ。……なるほど、これはSR以下のユニットのランクを一つ上げる進化石のようだ。


「この宝石の使い方がわかりました。これを使えば、ここにいる彼女たちを、一人パワーアップさせることが出来ます。ありがたく、いただきます」

「そうですか。お役に立てたようでなによりです。話が変わるのですが、実は昇様にお願いしたいことがございます」

「ええ、なんでも言ってください。こんなに素晴らしいものを頂いたのです。遠慮はいりませんよ」

「それでは……あの、エルフには男性がいないことはご存知でしょうか?」

「そういわれると、女性しかいませんでしたね」

「ええ、私たちエルフは、女性しか生まれない種族なのです。そのため、優秀な遺伝子を持つ男性から子種を頂いて、種を存続させているのです。つまり」


 エルファさんがもじもじしして、頬を赤らめながら上目遣いで言った。


「昇様の子種を私や他のエルフたちにいただけないでしょうか?」







-------------------------------------




  ここまでお読みいただきありがとうございます。


  専用のメールアドレスを作成しました。

  kattyangatyayuu@excite.co.jp     です。


 皆様のご感想をいただけると、励みになります。


 今後もよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る