第5話満点証言

告発します。ええ。被害者です。証人です。ええ。被害者です。

犯人はそいつです。ええ。ここにいます。

そこに突っ立っている男です。間違いありません。忘れるわけありません。


穴の開いたソファーと黒い、防音の壁。

テーブルにはお酒が2人分。


弱いのだって知ってるくせに。わざと飲ませて潰したんでしょう。

全部わからないとおもってるでしょう?バカにするのもいい加減にして。


どうせ自分のこと好きな女だと思ってる。

好きだったけど、こんなのってあんまりだわ。


だから私、告発します。

おまわりさん、あのひとです。早く逮捕してください。

手錠は私にかけさせて。


全て許されてるカリスマ。


人間だの人生だの、お前が歌っても心にこないの

嘘みたいだわ。あんなに大好きだったのに。

未だいま歌えるけど。あんまり失望させないで。


生きることは踊ること。なら踊って見せてよ。

踊ってばかりで馬っ鹿みたい。



告白します。大好きです。あなたのこと。

誰だと思う?え、あなた?


あながち間違いじゃないわ。

でも、私お酒が飲めないの。そんな女は嫌いでしょう?

キスばかりして、好きなだけ抱きしめて、

彼女にしないなんて、勝手な男。

あいつと変わらないじゃない。

個室で一晩、何回も・・

添い寝だけで留まったあなたは紳士のつもり?


脱がしたのも、貴方だったよね?

「付き合ってないの?」皆が言うわ。


いっそ既成事実をつくりましょう。面倒なのは嫌いなの。

こんなにあなたを想ってた。嘘じゃないわ。こんなにも純粋に。


あなたに切り捨てられるまで、ずっとね。

待ってたの。ずっと。貴方から誘われて、口づけされるのも。

知らなかったのはあなたのほうよ。


知らなかったのはあなたのほうよ。

私、ずっとあなたに誘われてたわ。


わたし。あなたに。


告白します。

大好きだった。 彼氏にするつもりはないわ。

誕生日には毎年、ケーキを食べるわ。別の人と2人で。

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