銀髪金眼の高校生・煥(アキラ)は、生徒会長の兄・文徳とともに、暴走族と呼ばれるバンド瑪都琉(バァトル)を率いている。対立するグループの残党と、今しもケンカが始まりそうになった時、突然、目前に、そう歳の違わない純朴そうな少年が現れ、こう言った。
「会いたかったんです、パパ!」
「なっ、パパ!?」
「ぼくは、未来を変えるために! パパの時代へやって来たんです!」
「い、意味わかんねぇ!」
――その時、彼の胸にさがる白獣珠が告げた。”因果の天秤に、均衡を。”
相応の代償を払えば、どんな願いも叶えてしまうという四獣珠。各珠の護り手たちは、それぞれ特殊な異能力を持っている。珠を巡る人間たちの争いは、やがて、煥(アキラ)たちの生命だけでなく、運命を支える大樹の枝さえ危険に晒してしまう。
仲間と愛する者たちの生命を護り、煥は望む未来を手に入れることが出来るのか――。
作者さま独特のキレのいい文章で、クールな煥(アキラ)の一人称が冴えます。タイムリープ、異能バトル、SFとファンタジーと、学園恋愛ものの要素もきっちりおさえた展開に、ぐんぐん惹きこまれます。結末も、気持ちがいい。
次々と分岐するシリーズを、楽しませて頂きます。