七ノ回廊 数学のテスト

 ――こんな夢をみました。


 自分は中学生くらいに戻って、教室でテストを受けている所だった。

 それは苦手な数学のテストで、さっぱり問題が解けず困っていた。しかもテストが終わらないと教室から出られないので、焦りまくっていたが、いくら考えても問題が解けない!

 教室からはどんどん生徒がいなくなって、チラホラと頭が見える程度になり、広い教室には、ほとんど生徒が残っていない。

 最後のひとりに自分がなりそうで……もう怖くて周りを見ることもできない状態だった。


 ――自分は昔から数字に弱かった。


 電話番号が覚えられない、買った品物の値段をすぐ忘れる、数をかぞえるとよく間違える。正直、九九も頼りない人間なのである。

 数字は自分にとってトラウマとも言うべき弱点で、仕事が上手くいかない時や悩み事が多い時ほど、決まって、この数学のテストの夢をみる。


 カチカチカチ……壁に掛けた時計の音が、やけに大きく聴こえてくる。

 数学の答案用紙は一問も埋まらないまま、時間だけがむなしく過ぎていく……。

 ただ、ただ、解けないテスト用紙を握って脂汗を流している。――そんな情けない自分の夢。

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