ドキドキ!初めてデートにさらうぞい!編

 みんな、お疲れ様。

 私は神柄美央カミヅカミオ神牙しんがのパイロット……機獣無法者アーマーローグよ。

 父が関わったアンゲロス大戦の、そのケジメをつけるつもりだった。けど……私はもしかしたら、ここまでかもね。でも、悔いはないかな。

 父の不始末の清算のために生きてきた。

 でも、あののために死んでやるのも悪くないかなって。


「あの、美央さん。その、今回はすみません。私のせいで」


 あ、千雪チユキか。

 ううん、気にしないで。

 っていうかね、見てられないのよ。

 あんたさあ……小学生? なに、見た目に反して七歳児なの? 初恋くらいチャッチャとわかって、女子高生らしく楽しみなさいよ。

 わ、私も応援してるんだからさ。

 ……ほっとけないから、そういうのさ。


「美央さん……ありがとうございます。実は私、統矢トウヤ君をこれから映画に誘ってみようと思うんです。その……美央さん、いてくれるだけでも、凄く嬉しいです」


 な、なによ、改まって……ほら、統矢ならあそこで男子たちの輪にいるんじゃない。ちょっと行って、さりげなく誘ってきなさいよ。

 わかってる、任せて……他の男士は私がひきつけておくから。

 フフ、ガラじゃないけどね、キューピットなんて。

 ほら、行くわよ!


「あれ? 千雪か? どした、お前……ああそうだ、丁度よかった」

「あの、統矢君……実は」

「【氷蓮ひょうれん】の左腕部さわんぶのフリクションな、あれの原因がわかって……って、千雪? なんだお前、顔が赤いぞ? 大丈夫か?」

「あ、いえ、はい……あっ、前に言ってたラジカルシリンダーの不具合ですね」

「ああ。それで、瑠璃ラピス先輩に言って見てもらったら」


 いい雰囲気じゃん、千雪!

 そこよ、そこで!

 その甘い空気に乗って、勢いに身を任せて!


「とっ、とと、統矢君」

「ん? どした、千雪。ああ、データのログなら取ってあるから」

「ッ、フ――セイッ!」


 ……千雪? ってか、千雪ーっ!


「美央さん、誘ってきました」


 待てーい! 映画にって言ったの! 当身喰らわせて気絶させて、なんて言ってない! あーもう、なにそれ……本当に。

 フフ、千雪さあ……ホント、ほっとけないんだから。

 つーか、好きな人を小脇に抱えるなっての、米俵こめだわらか。

 ま、それはそれとして、画面の前のみんなは先に進んで。

 私も絶対、あとから追いついてみせるから。

 次回もきっと、絶対! スパ◇ボ「」カクヨムで会いましょう? それじゃ、また……少し会えない日々が続くけど、もう一人の私によろしくね? うん、また……絶対、またね。

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