真道美李奈のサービス!サービスゥ!編

 ……ん? なんだ?

 ああ、そうか……次回予告的なあれか。

 俺の名は、ミド・シャウネル。お前たちには裏切り者に見えてるんだろうな。けど、それの何が悪い? それは結果論で、俺はただ純粋に最良の選択をしたに過ぎない。

 たかだか一個艦隊にも満たないリジャスト・グリッターズで、なにか成し得ると本気で思っていたのか?


「本気でなければ、生命をして戦えはしないでしょう。そうですね、ミドさん」


 うわっ!? び、びっくりした……突然出てくるなよ、このお嬢さんは。


「この真道美李奈シンドウミイナ、逃げも隠れもしません」


 あんた、今は貧乏びんぼうしてるんだってな。どうだ? 俺が少し口を利けば、経済的な問題なんて一瞬で解決するけど? 強い味方は多い方がいいしな。

 俺の家は……実家は、そういう場所なんだ。

 まったく、生まれる場所を人は選べないなんて、よく言うよ。


「それは御実家の力で、御実家の財力なのでしょう? ミドさん自身の力でもありません」


 ……だからなんだよ。自分が持って生まれた優位性アドバンテージを使わず、正々堂々と戦って負けろってのかよ。リジャスト・グリッターズじゃ、世界の平和は守れない。そもそも、守るべき平和なんて既にありはしない!

 新しい秩序の元に、本当の平和を生み出す時なんだよ。


「……それは、本当に貴方あなたが望んでいるものなのですか? そして、そこに……貴方の大切な人の笑顔はあるのでしょうか! ……まあ、それもいいでしょう」


 ――言わせておけば、お前なあ! 俺だって、俺だって!


「次回、スーパー◇ボット大戦「」カクヨム……ついに決着、セラフ級パラレイドとの攻防! そして、満身創痍まんしんそういのリジャスト・グリッターズに新たな敵が迫ります!」


 おいちょっと待て、俺がまだ話して――


「いかなる敵であろうと、迫る驚異が民を脅かすなら、この私がアストレアでお相手します。では、次回もサービス! サービスッ!」


 めっちゃ棒読みじゃんかよおおおおおお! 御嬢様よぉぉぉぉぉ!

 ……ま、まあ、あれだな。うん……俺の出番はまだちょっとないけど、来週もよろしくな! それと、一応ミリアは生きてるから安心しろ。ああ、生きてるよ……生きてはいるよ。……しょうがないだろ、俺だってさあ。

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