愛しの愛しのバルト様!編
ふふふ、やだわ、もう……ここのフリクションを解消することによって、さらなるトルクアップが見込めるじゃない。しかも、アクチュエーターを新規パーツに換装すること、私の第三世代型トールは例の黒いやつだって……ん?
あら、はじめまあしてね……リジャスト・グリッターズのエースさん?
私の名は、キルシュ・スタイン。
しがない兵器開発主任よ。
「ああ、キルシュ博士。ここにいらしたんですか? トール四機のオーバーホール、始めますけど」
あら、もうそんな時間かしら?
因みに、こっちは助手のミステル・アーベント。優秀な私の助手よ。スパロボで例えれば、フル改造したジム・カスタムくらい役に立つ相棒ね!
「……なんです、博士。その半端で微妙な例えは」
まあいいわ。それより……トール一号機! 多薬室砲装備! 嗚呼、なんて素敵なのかしら。激戦の中、現地改修特有のよさがあるわ! あなたにもわかるでしょう? そう、陽電子砲装備は局地戦では取り回しが悪いのよね。
ふう、素敵……こんなに傷つき、汚れて、修理され、戦い続けてきた。
バルト大尉の血と汗が染み込んで、幾つもの戦場をこの子は駆け抜けてきたの。
「あ、すみません。キルシュ博士はその、ちょっと……残念な人でして」
オーバーチューンされた機体特有の、綺麗なパワーカーブ……ぞくぞくするわ。それに、二号機や三号機、四号機の酷使されっぷりも素晴らしいの一言よ! ああ、耐久性能証明テストがまさか、実戦でより大きな評価を得るなんて。
はっ! い、いけないわ、うっとりし過ぎて失神するところ!
それにしても……リジャスト・グリッターズにはいろんな機体があるのね。どれもこれも、トールの改造意欲を掻き立てる素晴らしい機動兵器だわ。
嗚呼……いけないわ、私ったら……こんな凄い部隊を率いて戦ってるなんて、バルト大尉……なんて素晴らしいの。もっと、もっとトールを酷使して! 共食い整備しなきゃいけないくらい、激戦の中を勝ち抜いて! はぁ――
「……いや、ほんとすみません。キルシュ博士はただの変態なだけでして。でも、今日もスパ◇ボ「」のプレイ、ありがとうございました。僕たちはカメオ出演でしたが、いよいよもうすぐ惑星”J”での最後の戦いが始まります。それでは、幸運を!」
竟憶のリトロス外伝『彼女が愛した超電磁弾体加速装置』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884279773/episodes/1177354054884365048
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