クロス・カクヨムコン4・鳴動編

 俺の名は、木藤宗次郎キフジソウジロウ。そう、いうなれば……世界の選択を担う者。望んで運命に身を任せたわけではない。だが、継王蒼機ザナクトが導く先へと全力で進む。なにかを選び取る自由と意思をこそ、選ぶ。なにも選ばないのは、死んでいることと同義だから。

 だが、その、なんだ……こういう事態は想定外だ。


「そー君、もっと優しく……あん、もぉ。いけません、少し乱暴です」


 おい待て。待てよユイ……その、なんだ?


「そっと、触れてみてください。指使いに気をつけて」


 どこから突っ込めばいい?

 この場合、突っ込むという話はじゃなくてだな。

 とりあえず……月曜と木曜は燃えるゴミの日だ! ……じゃ、ないよなあ……汚いというよりは、散らかってるだけだ、ユイの部屋は。

 そう、ここは謎の少女ユイの自室。

 そして俺は……何故なぜか世界の命運とは関係ない選択を迫られているっ!


「宗次郎にいちゃん、えっと、もう、いい? 攻撃するよー?」


 えっ、あ、ああ。構わんが、これはどういう……っ! ええい、これが子供の動きかっ! 横ステップをキャンセルで特殊格闘に繋いで、そう……まるで画面をぐようにして接近してくる!

 ゲームとは言え、怖いくらいに機敏な動きだ!

 流石はeスポーツの一角『機巧世紀きこうそうへいアーカディアン』の覇者、日野昴ヒノスバルだ!


「あん、もぉ……そー君、そこは見切ってくれないと」

「だよねー、アタシやオボロなら余裕でかわすけどなー」

「いけませんよ、アキラさん。宗次郎さんは初心者なのですから」


 悔しいが、その通りだ。何故か俺は今、この汚部屋、もといユイのお部屋でゲームを遊ばされている。コンシューマ版には初めて触るが、相手が相手だけにゲームとして成立していない。

 ……だが、不思議とこんな部屋でも心地いい。

 こうして、戦いを遊びの中に閉じ込めていけたら……それを選べたら。


「はいドーン! そうはいかぬがアーカディアンなんじゃーいっ!」

偽兄ダーリンっ! どうやらここは継王蒼機ザナクトの世界……って、部屋が汚っ!」

「ノープロブレムッ! キモウトハニーよ……向こうのプレイヤーは三人、対して宗次郎は一人。あとは言わずともわかるな?」

「つまり、バツにぃのためにも美少女トリオはやっつけるってことね! オーケー、偽兄!」

「そういう訳だ……ゲームと言えど容赦はしない。新たなオンナとなるべき、三人のために!」


 あっ、そういうやつ(察し)

 とりあえず……昴ちゃんに明ちゃん、朧ちゃん、見ちゃいけない。直視したら脳をやられるタイプの異邦人やべーやつだ。最近、世界の壁も薄くなってるからな……トホホ。だが、あらゆる世界に対峙して見極め、自分の世界を選び続けるのが俺の使命。


「って、言ってるけど……どーする? 昴」

「昴さん、ここはチーム対戦モードで」

「うんっ、そうだね! 大勢で楽しんだほうが、ゲームは面白いから!」


 これもまた、スパ◇ボ「」カクヨム時空、か……さてさて、来週はどんな世界が選択されるやら。見ている君も、せいぜい気をつけ給え。来週のスパ◇ボ「」には、ひょっとしたら君の世界が選ばれるかもしれ――あっ、きたない! 流石さすが王太郎オウタロウ汚い!


「ハッハッハ! 適度に適当にバルカンをきざんで、すかさず投げるっ!」

「投げハメだね、偽兄っ! さっすが、手段を選ばない!」

「帝王学とはそういうものだ! そしてここで、半キャラずらしての4Hitコンボ!」

「大人げないっ、バツにぃにも見習ってほしいくらい、容赦ないよぉ!」


 ……選ぶ世界を、間違えた……かな? じゃ、またな……生きていたら、また来週!





☆刻を廻る星鋼ガトラベル(東雲メメ先生)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887171845


☆槐神霊装伝 エンジュ (#槐エンジュ)(鉄機 装撃郎先生)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885880520


☆超人は夢を見ない:ZARATHUSTRA HAVEN'T EGO(藤井機斎先生)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887358917


☆継王蒼機ザナクト(ハムカツ先生)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887378403


☆機巧世紀アーカディアン(天城リョウ先生)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887248834


☆週刊カノジョイド!創刊!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884854245

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