第15話
これだけ仲良くなって、光希と同じ高校に行きたいね、なんて話をしていたものの、私よりよほど勉強のできた光希は、県でもトップクラスの進学校へ進むようにと、両親にも先生にも言われていた。もともとあまり強く意見を言える性格でもない光希はそれに反抗することもできず、私は到底そのレベルには到達せず、結局私達は別々の高校に進むことになった。
高校で離ればなれになることで、確かに中学の頃のようにいつでも一緒、というわけにはいかなかったが、それでも私たちの関係は続いた。
光希は県トップの進学校の中にいてなおトップクラスの成績をとっているらしく、また新しいところでも友達はできていたらしく、私の心配は杞憂のようだった。
そして高校2年生になった春、光希に彼氏ができた、と聞いたときは少し……いや、本当はかなり驚いてしまった。
友達ができたということは聞いていたが、まさか彼氏まで作るとは。
正直、光希がそこまで私以外の人と関われるようになったのが嬉しい反面、私の補助はもう要らないのかな、とか、私より大事な人ができちゃったんだな、とか。バカみたいだが、そんなことに寂しさを感じてしまってもいた。
でも、人付き合いが得意になったとはいえ、光希はそんな私の気持ちを察してか、申し訳なさそうな素振りを見せつつも、無邪気に彼とのことを話していた。でも、そんな姿に、私は昔の引っ込み思案で、でも好きなことには一直線な光希の面影を見て、少しホッとしたりもしていた。
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