第4話
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「珍しいな、篤人が誰かとメッセージのやり取りするなんて」
と言いながら、俺はいつの間にかいなくなっていた萌実の残していったアイスコーヒーを飲む。
篤人はやたらニヤニヤしながら「そうか?」と言い、次の瞬間「カシャリ」とこれ見よがしに俺の写真を撮った。そのことを指摘するが、篤人は「してないしてない」と悪びれもせず言うだけで、スマホを弄っている。相変わらず顔はニヤついている。
「何ニヤニヤしてんだよ、気持ち悪い」
「いやー、可愛いよな、葉多ちゃん」
萌実が?こいつは急に何を言い出すんだ。
「何、お前萌実狙ってんの?」
すると篤人は顔を上げ、一層顔に笑みを浮かべると、
「いえいえ、恐れ多いです」
と、なお訳の分からないことを言う。
俺がいない間に何があったんだ?この調子じゃ篤人は何も言わないだろうし……明日でも萌実に聞いてみよう。
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『さっきの続き。俺が思うに、多分輝は町村さんより葉多ちゃん派だから期待していいと思うよ!』
いやいやいやいや。私派だったら彼女と付き合わな……
「ピロンッ」
携帯が鳴り、思考が中断される。灰屋君から次のメッセージが届いたようだ。
本文はなく、写真のみ。輝が私の飲みかけのアイスコーヒーを飲んでいるもの。いかにも『間接キッス中~~』とでも言いたげだ。
私は返信ボタンを押すも何も言葉が浮かばずケータイを切り、深くため息をついた。
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