七
月曜日。扉の前で俺は一息。――来てしまった。血迷ったか、俺。……いや、そうじゃない。俺は、間違いなく、自分の意志で此処に来た。惹かれてしまったのだ、あの先輩に。惹かれるって、恋心とか、そういうのじゃなくて。……多分。いや、自信ないけど、兎に角。
書面での取り決めもあるわけじゃなくて、正式には入部も何もないんだろうけど、この際だ。あの奇抜で風変わりな先輩が、こんな部活を設立したその理由とか、探ってみたりしたっていいだろう。このままだったらどうせ、俺の放課後の青春は、……活字に埋もれるだけなのだから。
大きく息を吸い込んで、扉を開く。
扉の先、真正面。パイプ椅子に座り足を組んで、なんとも偉そうに俺を出迎える唯先輩。
その頭上の壁には、堂々たる筆致で掲げられた四文字。
『死を想え』
これは、風変わりで奇抜でぶっ飛んだ、死を想うエキセントリックな先輩と俺の、邂逅の物語。そして、そこから始まる、エキセントリックな日常、――或いはそれは、確かな非日常の――革命の、お話。
「ようこそ、自殺部へ。これからよろしくね、青木和海くん」
先輩はそう言って、ニヤリと微笑んだ。
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