第18話 迷宮の魔物

この国に来てからもう3週間ぎ過ぎた。俺は今日も迷宮ダンジョンに入っていた。迷宮ダンジョンのモンスターはとても強くて楽しい。

そして、階層をどんどん上げるとどんどん強くなっているからとても面白い!

そして、一々下まで降りなくてもその階層の門を潜るだけで入口に戻る仕組みになっている。

「ぎゃぁぁ!!」

「ふう、流石に疲れたな。もう出るか」

俺が入口に戻るともう外は次の日の昼になっていた。俺は宿に戻る前に冒険者ギルドで魔物の中にある魔石を金に換えに行った。

「ノエルさん、今日も大量ですね。まさか、今回もずっと潜っていたのですか!?」

「………」

「やっぱり!!あのですね!何度も言っていますが、休養は大事なんですよ!!」

あーあ、また始まった。俺はアリアナにいつも怒られている。でも、俺はこれをやめる気は無い。そもそも、俺はこの迷宮ダンジョン生活をしにここに来たんだ。

「あー!わぁたよ!うるせぇな!お前は俺の母さんか!!」

「確かになー!受付嬢ちゃん、こいつは迷宮ダンジョン生活をしにここに来たんだぜ?そりゃねぇよ」

その声の男は俺の頭に手を乗せていた。まあ、声で大体分かった。それは、ダニエル・グーデンブルグだった。

「おい、おっさん。手ぇどけろ」

「いいじゃねぇか!俺達の仲だろ?」

「は?」

「おお、怖っ!!」

そんな会話をしていると、アリアナが話に入って来た。

「ノエルさん、もしかしてその人」

「ん?ああ。ダニエル・グーデンブルグだ」

すると、またギルドの中は驚きの声であふれていた。

「ちっ!なんでここにいるんだよ?」

「まあ、レイルにお願いされたんだからやるしかねぇだろ」

やっぱりレイルさんか!まったく、あの人は過保護なんだから。つーか、なんてこの人を呼ぶかなぁー?

「とにかく、帰れ」

「なんでだよ?俺はまだ現役だぞ?」

「俺がお前に帰って欲しい理由はそれじゃない。あんたが邪魔なんだ!それに、あんた俺にも勝てねぇくせに粋がってんじゃねぇ!」

また、冒険者ギルドはざわめいた。

「あ、あはは。ばらすなよー!かっこ悪いじゃねぇーか」

「それと、正直うざい」

「えー!?」

その会話に皆んなは付いてこれていなかった。

「……とにかく、帰れ!次、俺の所に来たら大々的にあんたがレイルさんにした事を騙すぞ!」

流石にこういうと、ダニエルは諦めて帰った。

「ったく」

周りを見ると、皆ポカーンとしていた。

「……ノエルさんとダニエル様の関係って」

「ただの他人だ。まあ、いいや。帰るな」

俺は無言で冒険者ギルドを出た。

俺が冒険者ギルドを出ると、すぐに鐘が鳴った。

「!?」

「な、なんでまた!?」

俺は走って戻った。

「どうしたんだ!?」

迷宮ダンジョンからの上層魔物が出て来たんです。でも、先週出たのに」

アリアナの顔は青ざめていた。この人が青ざめるという事は相当やばいという事だ。

「取り敢えず、行ってくる」

俺は冒険者ギルドを走って出た。そして、迷宮ダンジョンに向かった。

「きゃっきゃっきゃっ!!」

「おりゃ!」

俺はどんどん斬って行った。

「ほう。お前が一番強い奴か」

俺の前に立った魔物は一度見たことがあった。それは、ミノタウロス。俺が唯一手こずった魔物だった。

俺は一歩後ろに下がった。

「……ほう。お前、強いな」

「そりゃどーも!」

俺は走ってミノタウロスに向かった。

「はー!」

ミノタウロスは案外容易く斬れた。



「はぁ、はぁ、はぁ」

魔物が出て来てからもう何時間戦ったのだろうか。もう、限界かも。

俺はどんどん小物を倒していった。

「ノエル!」

大きな声で言ったのは、ケイルだった。

「なんでここにケイルがいるんだよ!?」

「ダニエルおじさんが教えてくれたの。それに、来てくれたのは私だけじゃないよ」

ケイルが指した空を見ていると、色々な人が飛んで来ていた。その中にはビブリア学院の生徒が来ていた。


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