第17話 迷宮から出て来る

ダグマリアに来てから1日が過ぎた。俺は迷宮ダンジョンに潜る前に冒険者ギルドに行かなきゃいけなかった。

「いらっしゃいませ!」

俺は受付に向かった。そこには、若い女性が立っていた。

「僕、どうしたの?迷子かな?」

俺はイラッと来たので、ギルドカードを見せた。

「ん?……Sランク ノエル・ファーレンガルト?」

俺は被っていたフードを外した。すると、一瞬で騒ぎ声が聞こえた。

「す、すいません!!まさか、ノエルさんだとは思わず!!」

「別にいいが。で、迷宮ダンジョンに入る許可が欲しいんだけど」

そういうと、女性は奥に通してくれた。

「ど、どうぞ」

気のせいだろうか?異常に恐れられている気がする。

「こ、こちらに横になって下さい」

「わかった」

すると、恐る恐る背中に手を置いた。俺はその女性に声をかけた。

「あのさ」

「ひゃい!!」

「あのさ、そんなに怯えんでも何もしないぞ」

女性はあから様に驚いていた。こいつも嘘をつかないタイプか。

「は、はい。すいません。Sランクの方は偉そうですぐに殺されると聞いていましたので」

「ふーん」

その後、やる事が終わり冒険者ギルドを出ようとした時。あの受付の人に引き止められた。

「ノエルさん!」

「なんだ?ていうか、敬語じゃなくてもいいぞ」

「いえ。あの、迷宮ダンジョンにお登りになるのですか?」

「ああ」

すると、女性は喜んだ様に手を持った。

「でしたら、私に指導者サポーターをさせて頂けませんか?」

指導者サポーターとは、ギルドでアドバイスなどをしてくれる人の事らしい。

「別に良いけど。なんで俺?」

「だって、あなたがいいんですもん!」

俺はすぐに悟った。

「ほう。俺の指導者サポーターになれば、高ランクの冒険者の指導者サポーターになれる上にギルド内のランキングも上がるという訳か」

俺がそういうと、図星を突かれた顔をしていた。

「別にいいぞ。それに、俺が迷宮ダンジョンに潜るのは夏休みの間だけだしな」

俺はその申し出を受けることにした。

「ありがとうございます!!あ、自己紹介がまだでしたね。私はアリアナ・シルティです」

「俺はノエル・ファーレンガルト。明日からよろしくな」

「はい!!」

俺はその場から宿に戻り、武器の点検をした。そして、ベットに入りそのまま寝てしまった。



朝がとても気持ちいい。今日から迷宮ダンジョン生活!超楽しみ!

俺は朝食を食べ、冒険者ギルドに向かった。そして、昨日の受付嬢。アリアナ・シルティを呼んだ。

「あ、ノエルさん!!もう行くのですか?」

「ああ」

そういうと、アリアナはとても喜んでいた。何故喜んでいたのかは分からないが。

こうして、俺の迷宮ダンジョン生活が始まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る