第4話 恐れられる存在

「これは主席ですね。あの子は筆記で満点だったとか。入院式新入生代表挨拶は彼にしましょう」

「そうですね」

ノエルの知らない所で新入生代表が決まっていた。



俺は保健室っぽい所に通された。その中には緑色にセミロングのお姉さんがいた。多分、保健室の先生なんだろう。

先生は俺の顔を見て「あなたがノエル・ファーレンガルト君ね」とあっさり言ってきた。

「はい。えっと、あなたは?」

「あ、私はサラ・マクリット。保健室の先生だよ」

「あ、よろしくお願いします。で、俺が呼ばれた理由は何ですか?」

「まあ、簡単に言えば魔力測定かな?君の属性を調べるの。じゃあ早速始めようか。そこの石板に手を置いて」

「はい」

俺は言われるがまま石板に手を置いた。すると石板が光り、紙が出てきた。先生はその紙を見てビックリしていた。そして、俺を見つめてきた。

「あ、あの、何か有ったんですか?」

「ノエル君、君は総合科に行った方がいいよ」

「なんでですか。て、総合科ってなんですか?」

質問をすると答えてくれた。

「総合科って言うのは魔術と剣術の2つがとても優秀な子が入る所よ。そして、なんで総合科に入れと言ったかというとこの紙を見てちょうだい」

先生は俺にさっきの出てきた紙を見せてきた。俺はその紙を見て驚いた。

*********

ノエル・ファーレンガルト

性別:男

剣術:SSS

魔術:7000000

風:SSS

水:SSS

土:SSS

炎:SSS

光:SSS

闇:SSS

氷:SSS 精霊:フェンリル


クラス:S

**********

なんじゃこりゃ!!俺はフェンリルとしか契約していないのになんで氷以外までSSSランクなんだ?まさか、俺が転生した時に身に付いた能力か?何にしても、超嬉しいぜ!!ひゃっほーい!!

「この石板は人の能力値を正確に調べる機会なの。だから、初めて検査した時にすべてSSSランクなんて前代未聞なのよ。あと、この魔力値はあんまり人には伝えちゃだめよ。取り敢えず、平均の5000と答えた方がいいわ」

「は、はい」

その会話最後に俺は部屋を出た。

「ノエル、どうだった?」

心配そうな顔をしたケイルは言った。

「なんか、凄かった」

俺はさっきの測定の結果とクラスだけ教えた。教えたと言っても、魔力値は平均しか言ってない。すると、ケイルは顔が青くなって赤くなった。表情豊かだな、こいつ。

「ノエルと同じクラスだよ!あと、ヘスティアも!」

「そ、そうか」

俺は嬉しいような嬉しくないような気がした。あ、ヘスティアとは俺と同じ孤児院の子供。自己紹介には来なかったけど、一応女の子だ。

「俺は更衣室に行くから。次は確か制服を貰いに行かなきゃいけないんだったな」

「うん」

「じゃあ、校門前でな」

「え?」

「待ち合わせだよ」

ケイルは寂しそうな顔で俺を見た。多分、一緒に帰りたいんだろう。まあ、それぐらいならいいか。

「分かった。更衣室まで一緒に行こう」「あ、ありがとう!!」

ケイルは嬉しそうに言った。



「ここで待ってろ。すぐ終わるから」

「うん!」

本当に分かってんのかは分からんが取り敢えず早く着替えよう。汗でびっしょりだ。それにしても、俺ってちゃんと男に見えているんだろうか。まあ、そういう風に手続きしてるから大丈夫か。それにしても、このさらしは嫌だな。疲れる。


俺は更衣室の扉を開けて男子更衣室から出た。すると、ケイルがナンパされていた。ケイルは少し困った顔だったので、不本意だけど助けた。

「そこ、邪魔なんだけど」

「あ?・・・お前は!さっきの試合でグウェンバイアに勝ったノエル・ファーレンガルト!」

「ナンパ中悪いんだけどそいつは俺の連れ何だよね。だから、退いてくれるか?」

「は、はい。すいません」

「なんで避けるんだよ!」

「馬鹿野郎!グウェンバイアを倒した奴なんだ。相当強いんだぞ!」

俺は何でか恐れられていた。まあ、あそこで魔法を思いっきりぶっ放したらそりゃ怖がるか。俺は事件とかには巻き込まれたくなかったから放っておくことにした。

取り敢えず俺とケイルは校門に行って制服を貰った。配っている先生が言うにはこの制服には防御魔法が張ってあるらしい。何かの事件に巻き込まれる可能性があるからとか言っているが。あ、この学院の制服の話はしていなかった。この学院の制服は男女共に紺色のブレザーで中にはベストらしい物を着て下はチェック柄。男子はズボンにネクタイで、女子はスカートにリボン。俺の前世の制服とほぼ一緒だな。


「ただいまー!」

「お帰りなさい」

レイルさんが出迎えてくれた。

そして、その後俺は入院式代表になり挨拶をするという事を知った。



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