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海に行く予定の日まで、俺は夏休みの宿題をやって過ごした。せっかくイベントが控えているのだ、思う存分楽しみたいじゃないか。

そんな意気込みで頑張った。


そして、当日。


学校の最寄駅で待ち合わせてから、みんな一緒に海へ向かった。格安の旅館とのことだが、もちろん部屋は5人一緒。それでも十分なほど、俺には広く綺麗に感じられる所だった。

海に友達と行くのも、ましてや泊まるのだって初めてな俺は密かにテンションが上がっていた。


荷物を置き、水着に着替えてさっそく海へ繰り出す。

青い空と海に、白い雲。

さっそく海へと向かうべく歩みを進めようとした。


「…あ、いた。山下ー!」

「おおっ、ミキちゃん! こっちこっちー!」


山下の知り合いかと思ったが、それでは会話の流れが不自然すぎる。第一、山下が彼女…いや、彼女たちをこちらに呼び寄せている。

何事かと思い、一度体勢を海から山下へと向けた。


すると呼び寄せた彼女たちは4人こちらへやって来た。


「(なっ何だ、これ…)」


「あれ? …あっ、ひまわり! 何してんの、おいでって」

「ミキちゃん、みんな、早い…」

「はいはい、ごめんね」

「…っ!?」


“ひまわり”と呼ばれた彼女が来たことにより、人数が5人になり、俺たちと同じ割合になった。

俺は不審に思い、隣にいる郁也を肘で思いきり殴った。郁也は「う゛っ…」と小さく呻き声を上げた。





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