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ピピピピピピピピ……

カチッ-


「〜…っ」


まさかの夢オチだった。

最近見た夢の中じゃ一番いい夢だった。ただ、あそこまでいったのならキスくらいさせてくれてもいいじゃないか。あの雰囲気でお預けくらうなんて。


「くそう、健全な男子高生になんてことしやがる…」


正直、エロ本よりも興奮した。それもそのはず、夢とはいえ、雰囲気になりそうだったのだから。

まあそんなことを考えていた所で夢に戻れるわけもなく。俺は重い体を起こしてベッドから降り、学校へ行く支度を始めた。


今日は夏休み前の修了式だけだし、午前中で終わるだろう。顔を洗い、ご飯を食べ、いつも通りの時間に家を出た。



柿原正樹かきはらまさき、17歳の高校二年生。男子高に通う、至って普通の高校生。

現在彼女なし。ついでにいない歴は年齢とイコール。

もちろんキスだってしたこともされたこともなく、だから異常なまでにドキドキした。あんな子が相手だったら、どれだけ嬉しいか。


まあ男子高にいる時点で同高同士の恋愛は無理。…まあ例外はあるっちゃあるけど。男同士なら。


別に同性愛を否定するつもりはない。お互い好き同士ならそれでいいじゃない、そんな風に考えてる。

我ながら理解あるなーとは思いつつ、俺には好く相手も好かれる相手もおらずだけど。





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