第18話 工作

 皇帝庁での定例の会議、諸事務、西・南両連邦長へのナーシ連邦長の謀反と東国の暴走を報告し数週間ぶりに北国連邦庁にもどってきた。北国はこれから「平時」から「戦時」へとその体制を変えていく。今回の武力闘争は、短時間で、損害をできるだけ少なくしなければならない。それも味方だけでなく「敵」の損害も少なくしなければならない。

「イマーズ君、ただいま」

執務室に入り、イマーズ君に一言言った。

「おかえりなさい。会議の方はどうでしたか?ナーシ連邦長の様子はどうでしたか?」

し興味津々と訪ねてきた。

「ナーシはいませんでしたよ。何かの裏工作に忙しいんでしょうかね」

「そうでしたか」

「ちなみに、こちらの『裏工作』順調にいっていますよ」と笑顔で話した。

「ただ、以前イマーズ君にも話しましたが、両連邦長にも、『被害は最小限に留める』ように念をおされました」

「そうですよね」と静かに答えた。

「こういうときは、静かに考えるに限りますね」

といって、椅子に座り秘書の入れたコーヒーを飲んだ。コーヒーは、私のすきなあまり酸味の弱い豆だ。真っ黒くなるまで煎ってある。普通の人が飲んだら、「苦い」というだけだろう。しかし、飲めば飲むほど味の深みが出てくる。

「東国には、諜報員を動員してナーシ連邦長の周りを囲むこととして・・・極北をどうするかですねぇ〜」

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