第16話 調査
数日後、東国に関する報告書ができあがってきた。報告書には、戦車の戦場にて使用した際の攻撃能力、防御能力、走行性能等が書かれてある。ただ内容は、指示通り例の戦車について実際の性能以上のことがある。
イマーズ君を執務室に呼んだ。
「イマーズ君、頼んでいた東国に送る『報告書』ができあがったようです」といって、イマーズ君に報告書を手渡した。
「ではこちらは、皇帝庁に提出する(本当の)報告書ができあがった段階で、東国連邦長宛に提出すればいいのですね」とイマーズ君は言った。
私は笑顔で、「そうしてください」と答えた。
「で、皇帝に提出する報告書はできあがっていますか?」とイマーズ君に尋ねた。
「そちらの方も、ルーシー隊長の調査資料の元にして作成しております。数日中には、プロト版ができあがる予定です。」
「了解しました。プロト版ができあがりましたら、すぐに持ってきてください。次回の定例会議の際に持って行く予定です。西国連邦長、南国連邦長に提出するつもりです」とイマーズ君に伝えた。
「皇帝に資料提出して、武力行使の許可を頂く前に皇帝の周りを固めたいと思います」
イマーズ君は顔をこわばらせて「了解しました」とだけ伝えた。
最後に、イマーズ君に対し「最終的に武力行使の許可を皇帝に頂く際には、イマーズ君にも来て頂きます」と伝えた。
「何をするのでしょうか」
「皇帝の許可を頂く際には、各連邦長の領海も必要ですが、皇帝の輔弼機関である官僚達を説得させなければなりません。逆に説得がうまくいけば、予算、権能等多くのモノを得ることが出来ます。確か、イマーズ君と(テクノクラート)養成学校が同期の方が多くいるようですね。」
「はい」
「では、同期の方に東国の問題性をその方達に説明して頂いて、皇帝庁も一丸となって皇帝に今回の武力行使の必要性、妥当性を進言して頂き、引いては我々、北国の支援をして頂けるように働きかけをお願いしてください。」
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