第15話 報告
数時間後、イマーズ君は執務室に現れた。
「どうかしましたか?」と訪ねると、イマーズ君は少しずつ語りはじめた。
「さきほど話されていた、『例の国』との戦争の件ですが…やはり必要なのでしょうか?」
「そうですねぇ〜、戦争はしたくありません。ついでに今回の場合は帝国内での戦闘となります。戦闘となれば東国、北国の戦闘員だけでなく民間人の被害も当然発生するでしょう。ですから、できる限り避けなければなりません。したがって、諜報員に色々な調査をして貰ったり、他の連邦長にお願いをして東国の動きを制御仕様としてきました。しかし・・・」
「こちらを見てください」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・全力で戦闘は避けたいと思いますが「何か」あった際には、武力攻撃を実施することも納得致しました。」
「そこで、頼みたいことがあります」
「何でしょうか」とこわばった表情で答えた。
「次のものを用意しておいてください」
①東国、ナーシ連邦長の武器輸出に関する情報を正式な報告書
②(今後出てくる)北極の武装集団と東国との関係とをまとめた報告書
「了解致しました」とイマーズ君は答えた。
「それと、①②を皇帝庁に提出して私は皇帝より、東国への出兵の許可を賜りたいと考えています。そこで、皇帝周辺の根回しをしていきます。西国、南国の連邦長への根回しは私が行いますが、帝国の事務方への根回しはイマーズ君にお願い致します。」
「それと・・・大切な仕事がありましたね」とイマーズ君に言った。
「何でしょうか?」
「戦車の報告書ですよ」
「あ〜」と一言。
「一応、あの戦車に関しては、性能等についての報告書を提出しなければ成りませんでしたね」とイマーズ君。
「そあですねぇ〜、東国提出用の報告書と皇帝庁及び他の連邦に提出するための報告書の二種類を作成してください」と指示した。
「内容は、東国用は性能を過剰評価した『おべっか』報告書で、もう一つは『本当のスペック』でかけばいいのですね」とイマーズ君。
「わかっていますねぇ。そうしてください。『おべっか』報告書を受け取った東国は当分の間、戦車の改造を阻止できそうですから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます