第13話 時間

数日後…

執務室にイマーズ君を呼んだ。

「極北との戦闘がはじまって、臨時に編成した魔道師部隊ですが、今後、組織化していこうと思います。

 これまで、情報網だけは技術的、人的(ヒューミント)に整備してきましたが、その情報を活かして事前に防衛をしたり、守備を固めるというということはしてきませんでした…」

「そこで、今回の攻撃を契機として魔道師部隊を編成するんですね」っとイマーズ君は私の言葉を先取りしていった。

「そうです」

「でも、武力をもったら皇帝、各連邦長特に東国のナーシが文句を付けきますが」

「そうですね〜」

「警察力ということにしておきましょう」

「了解しました。ただ、東国が武力を司ることになっているのに、恒久的に魔道師部隊は必要なのでしょうか?」と率直な質問をイマーズ君は投げかけてきた。

「今後、恒久的に必要なのかは分かりません。しかし、直近〜数十年にかけては、魔道師部隊は重要な力になります。北極からの攻撃が激化しているのに俗物ナーシは部隊を北国に送ることもなく、筐体の耐久試験もしていない戦車を送っただけです。つまり、我々を守る気はありません。よって、我々は我々の方法で、我々の武力を編成し、我々の力で北国、そして、帝国を守らなくてはならないのです」

とつい熱く語ってしまった。

そして、「ナーシが東国の連邦長を追われて、後任にイマーズ君が就任したら、魔道師部隊は必要なくなるかもしれませんね」と笑顔で返した。

「では、魔道師部隊の隊長を紹介しましょう、ルーシー君だ」っというと秘書が執務室のドアを開きそこに、先日、連邦庁舎の講堂で私に檄を飛ばしてきた女性魔道師が入ってきた。

「失礼します」

「今後、私の補佐として首席補佐官のイマーズ君、そして、魔道師部隊の長としてルーシー君がこの執務室に出入りして頂いて、私の補佐そして、北国のために働いて頂くこととします」

「よろしくおねがいします」とイマーズ君に挨拶をした。

「こちらこそ」とイマーズ君は笑顔で返した。

「では早速、ルーシー君に指令を出します」

 ①極北からの攻撃隊する作戦準備

 ②魔道師部隊の組織化


「それと、とっておきの任務があります」と私は笑顔でルーシーに言った。

「なんでしょぅか?」

「魔道師ということは魔法道具にもくわしいわけですよね」

「はい」

「よかった。魔法道具はご存じの通り東国で主に生産されています。そして、魔法道具の知識と武器の知識そして、最新の技術を用いて帝国で使うさまざまな武器が作られてます。そこで、極秘に進めて欲しいことがあります。先日、東国から、最新鋭の戦車が届きました。この戦車の性能、耐久性、弱点等を分析してください。それと、イマーズ君は隊長に連邦の仕組み、手続き等についてくわしく説明してください。では、それぞれ頑張ってくださいね」

と一同は解散したのだが、数分後ルーシーが戻ってきた。

「なぜ私が、隊長なのですか?他にも経験豊富な魔道師もいます。なぜ私が…」と質問してきた。

「ん〜、その質問に答える前に、この前みたいなしゃべり方で良いですよ。そんなしゃっちょこばらなくても」と笑った。

「わかりましたよ。で、何でなんです?」

「答えは…北国には色々な人間がいて、それぞれの役割を担っています。そのなで、私にものを言う、自分の意見を言ってくれる人が少ないのですよ。まぁ、私も皇帝にモノをずばずばと言っているかというとそうでもないですが。魔道師部隊もそうです、あなただけが私に意見を言ってくれました。だから、隊長にしたのですよ」と率直に思ったことをいった。

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