第5話 議場

 あくる日、イマーズ君にもしも荒野から武装集団が襲ってきたら、また派手な攻撃でかつ、敵味方双方に死傷者が無いことを命じた。

 帝都では、2月に一度、連邦長会議が開かれる。皇帝と東西南北の連邦長が召集され、皇帝への各連邦の情勢報告、帝国内の政策課題についての議論がされるのである。その間、北国は連邦長が不在と言うことになるのだが、攻撃がいつあるか分からない状態、もしもの時の指示をして、私は、いつもの高速馬車に乗り私は帝都アルカバードに向かった。



 議場の中心には玉座に皇帝が座る。それを取り巻くように東西南北の連邦長がぐるりと着席する。しーんとしている中、私は極北からの攻撃について説明をどのようにするか未だに思案していた。

 確かに現状は急を要しない程度の攻撃ではあるものの、いつ北国に甚大な影響を及ぼすものになるか分からない。また、皇帝への攻撃と解釈する事も可能であり…現状を穏便に済ませたい私としてはなんと言ってよいものか、非常に思案のしがいのあるところである。

 

 そんな中、非情にも皇帝秘書が、会議を進行していく。

「それでは、第1857回定例会議を始めます」

「では、東国から報告をお願いします」


西国連邦長「特に問題ない-といってよろしいでしょう。今後も引き続いて、帝国国内の文化芸術のために初等教育〜高等教育での計画を見直し帝国全体の制度として適応できるよう日々研究をしております。」


南国連邦長「こちらもとくに大きな問題はございません。昨年は気候にも恵まれ、国民の酒食となる小麦の生産も増やすことができました」


東国連邦長「特に問題は生じておりません。ただ、北国では荒野からの進撃があったようですが…どうなっているのですかねぇ〜。後で、北国連邦庁とお話したいと思っております」


北国連邦長(私)「今し方、東国連邦庁のナーシ殿からもありましたが、極北の荒野より武装集団が北国に対して攻め入ることが、最近多くなっています。これに対し、北国は軍隊の出土と共に、魔道師による兵を新たに構成し、武装集団を撃退しているところです。」


皇帝「北国連邦長に問う。北国(帝国)に対する攻撃は、どのぐらいの勢力なのか? なにを目的とするものかこたえよ。」


 北国連邦長(私)「我々の所有する兵、魔道師集団からすればたいした勢力とは言えません。 しかし、攻撃がつつけば、北国に住む人々の不安を醸成すると共に、皇帝全体の安全を脅かす因子となりえないとは言えません。ゆえに、皇帝陛下のご質問にございました、武装集団の攻撃の『目的』を含めまして調査をしているところでございす。」

皇帝は「早急に解決してくれよ」と皇帝陛下は、いつもの落ち着いた表情で答えた。


「それでは、第1857回定例会議を終了します」

皇帝秘書が、会議を進行していく。

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