第2話 事件

 そんなある日、事件が起きた。

「大変です〜!!!」

首席補佐官のイマーズ君が朝から、連邦長公邸にかけこんできた。イマーズ君が部下になって何年になるのであろうか。北国に三等補佐官として配属され5年ぐらいが経過した頃、新人の職員としてテクノクラート養成学校から派遣されてききた。帝国の職員すべてが、テクノクラート養成学校に4年間かよってから公職に就くこととなっている。かく言う私も当校の卒業生である。それから20年、私は、連邦長そして、イマーズ君は主席補佐官に。といっても、彼を推薦したのは、私なのだが。

「どうしましたかぁ?そんなに急いで、とりあえず、落ち着いてください」

執務室から公邸までかけてきたのであろう。まだ、ゼイゼイと息が荒い。

「荒野から!!!」

「どうしましたか?」

「隣国、武装軍がきました!!」

「・・・」

「またですか・・・」

荒野からの攻撃が最近は特に多くなった。特にここ数日は。

「しょうがないですねぇ〜、こちらも国民を守らなくてはなりませんから、出陣して追い払ってください。くれぐれも敵味方ともに犠牲者は出さないように」

というとイマーズ君は、少しいらだった感じで「しかし!!」と言った。

「いつか分かりますよ」と私は、イマーズ君とは対照的に「日々平穏」というようなおもむきで指示を出した。

 今回も以前編成した魔道師隊を出陣させて対応していください。ただ派手な攻撃魔法で対応してみてください。「『ただ派手な』攻撃ですよ」。

 『ただ派手な』というのは、爆発や炎がただただはてで、あまり攻撃力はない攻撃である。敵をおどろかせて引き下がってくれればそれでいいのだ。それ以上の攻撃はいらない。負傷者どころか死者など出すわけにはいかない。なぜなら、この攻撃には帝国内のなになにか、きな臭い事情がありそうな気がして仕方ないからだ。

「では、イマーズ君、(魔道師の部隊の)隊長に命令を伝えてください」

イマーズ君は公邸から駆けだしていった。




 さてさて、ここ最近、荒野からの武装集団の襲撃が多く・・・。っといっても、防御の方は軍隊、魔道師集団を編成、強化したため、まったく問題なのだが、ここまで多くなると詳しい情報を集める必要がありそうだ。そして、必要によっては、皇帝、他の連邦長などへの報告が必要になる。

 とりあえず恩師である、西国連邦長のバリュー先生にご相談をすることにした。武装集団との闘いはイマーズ君にまかせるとして、私は、早速電報をうつために執務室に入り「現状と最近の諸国の情勢について異変等お気づきなっている点がありましたら連絡をいたたきたい」と電報を送った。

 電報を送信し、闘いの様子を見にいこうと連邦庁、庁舎の門に止めてある高速馬車に乗った。黑い概観に車の横には赤い北国の紋章、前面には帝国の紋章がある。そして、馬車には北国の駿馬たる4匹の馬がつながれている。

 そして、私が乗車するとただちに戦場の荒野に向かった。

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