第32話 ~vsミンスク~

「赤いメイド。お前もこうなりたくなければ立ち去れ。私は今から四宝朱火も氷漬けにしなければならない」

「アタシは逃げない! 貴方と戦う!」

 桃音ちゃんはミンスクに向かって叫び、武器のステッキを出した。

「そうか。なら容赦はしないわ!」

 ミンスクが桃音ちゃんに向かって来た。

「ジョーカ!」

 ステッキをミンスクに向けて叫ぶと大量のピンクのハートがミンスクを包んだ。

 しかし、すぐに変化が起こった。

「え! ウソ!」

 ハートが足元から凍結し始めた。

 頭のてっぺんまで完全に凍結すると斧を振りかざして凍結から開放した。

「まさかこんな手間をかけさせるとはね」

 自らを凍らせて壊すとは。どうやら奴は氷の中でも動き回れるらしい。

 だが今のでわかった事がある。あの斧は氷を壊せる。

 だったらあの斧を使って先輩を助けられるかも。

 だったらはやくしないと! あのまま放っておいたら死んでしまうかもしれない!

 私はダッシュでミンスクの所へ向かった。

「来い! 四宝朱火!」

 ガギン

 私の三叉槍とミンスクの斧がぶつかり、鈍い音が響いた。

「力勝負で私に挑むとはいい度胸だ!」

 私は斧を押しまくり、ミンスクの顔のギリギリまで追い詰めた。

 ミンスクの顔が険しくなっていく。

「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」

 私はこのままミンスクを先輩の所まで押した。

 これ以上押されまい、とミンスクは踏ん張っているが私には効かない。

 とうとう先輩の所まで追い詰め、氷に斧の刃の部分が引きづられるとパリッという音がした。

 どうやら壊せるみたいだな。

「! ……それが目的だったのか!」

「そうだ。ただ追い詰めているだけかと思ったか?」

「うるさい!」

 本当にそう思っていたみたいだな。

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