第43話 ~浄化!~
「観念しろ如月椿姫!」
「四宝朱火、貴様!」
にらみ合う私達。
逃げる事ができない椿姫は私をにらみつける事しかできないのだろう。
「浄化!」
ピシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
白い雷が椿姫とビリニュスに打ち落とされる。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
椿姫の悲鳴が公園中をこだます。
「くっ! これは!」
なんだこの感じ!
まるで体力が削られていくような……! そういえばあの指揮官長が言っていたな。人間が浄化すると本当に体力が削られていくのか。
そういえば何だかフラフラしてきた……駄目だ! ここで集中力を切らしたらちゃんと浄化できない!
しっかりしろ! 椿姫を浄化する!
……よし! なんとか続けられるぞ!
私は思い切り力を込めた!
「浄化ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「……さん! ……さん! 朱火さん!」
び、ビリニュス?
「良かった! 気が付いたのですね!」
そ、そうだ!
「ビリニュス! 椿姫は!」
「消えましたよ。浄化は成功です」
「や、やったのか! うっ……」
頭がクラクラする。
「……何だか初めて会った時の事を思い出しますね。この体制」
言われて気が付いた。
変身は解けて、体は仰向けで上半身はビリニュスによって持ち上げられて下半身は地面についていた。
これは初めてビリニュスに会った時の!
「逆になってしまったな」
「朱火さん、こんな風に僕の事を支えていたのですね」
「ああ。何だか懐かしいな」
「まだ会って一ヶ月も経っていませんよ」
「そうなのか!? 何だかそんな感じしないな」
「色々ありましたからね。実は僕もまだ一ヶ月も経っていないとは思えません」
色々思い返してみた。
高校入学を機に喧嘩を辞めたらメイドになって戦う事になってしまった私。
……すごく濃い日々だったな。
一生忘れられない思い出、ダントツ一位だろう。
「……そろそろ帰るか。ここじゃなくて部屋で休みたい」
「そうですね」
私達は家に向かって暗い夜道を歩き出した。
携帯を見てみるともうすぐ8時だった。
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