第25話 ~唐突な展開~

「「!!」」

 私とビリニュスは意外な人物の登場にすごく驚いた。

 なんとあの神社で出会った男がいたのだ!

 そうか……思い出した!

 ビリニュスが言っていたのはこの男の苗字だったのか!

 あの時は名前すら覚えていなかったのですっかり忘れていた。

 というか、どうするんだ!? この状況!

「小雨? 誰に話しかけているんだ?」

「え! だ、だってお前の後ろに今……」

「わーーーー!!!!!」

 ビリニュスが大声で叫び男の口元を抑えた。

 男はビリニュスを振り払おうと必死だ。

「何やっているんだ小雨? 訳のわからないダンスだな」

「んー! んー! ぐ、ぐぐぐぐっ!」

「……前から変わっている奴だと思っていたが、とうとうおかしくなったか」

 あーあ。兄として威厳を失った瞬間だな。

 私は男の元へ近づき、話しかけた。

「詳しい事を話したいので貴方の部屋をお邪魔してもいいですか?」

 なるべく断りにくそうな感じで聞いたがどう答えるか……。

 ビリニュスも口元から手を離した。

「……いいよ。ただし条件があるけどいいかな?」

「い、いいですよ」

 私はやむ終えずこの男の言う事を聞くしかなかった。

 鈴蘭の為だ!

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